memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

論文


2006年の9月から翌年1月にかけて情報学科の2年生7名をメンバーとして実ソフトウェア開発プロジェクトを実践しました。メンバーのがんばり、企業の方の厚いサポートのお陰で何とかプロジェクトを終結することができました。当時のメンバーは今年春に卒業しました。それぞれ良い会社に入社できたと聞いています。このプロジェクトの体験談が面接官の受けが良かったとか。アルバイト収入も美味しかったと思いますが、何より自分の進路決定に生かせたのは皆さん自身が苦労した甲斐があったと思います。めでたしめでたしです。


その当時のことをまとめた報告論文が今月号のプロジェクトマネジメント学会誌に掲載されました。これでやっと私も一区切りがつきました。めでたしめでたし(笑)です。


掲載前の原稿を研究室HPに置きました。ご興味がある方がいらっしゃいましたら閲覧ください。


高橋圭一:学生による実ソフトウェア開発における納期遅延要因に関する分析,プロジェクトマネジメント学会誌,Vol.11,No.4,pp.24〜29,2009(PDF


このプロジェクトを実践しているときはITも好調でしたが、不景気な今は学生に任せられるような仕事はなかなか見つかりません。論文にも書きましたが、開発プロセスやテンプレートを用意すれば、学生でも十分な開発スピードが得られますし、もちろん、開発コストもプロよりは安いわけです。学生としても、上述した通り、就職活動に生かせるわけで、まさにWin-Winの教育プロジェクトなんですがね。。。なかなか難しい。。。


一番大きい障害は最終製品に対するリスクでしょう。また、開発プロセスを定義してプロと同じ品質のソフトが作れるようになったとしても、そうしたソフトを納められる顧客の心情やプロとして製品を売り出す企業としての責任体制にも関わるかもしれません。


企業に依存して仕事が取れないなら。。。自分達で会社を起こして(大学ベンチャー?)、ソフトウェア開発プロジェクトを実践的に教育する場を作る、という手も無いことはありません。ただ、言うは易しなので、もし本当にやるとすれば、しっかり腹をくくらないといけませんね。。。