memorandums

日々のメモです。

CCPM (Critical Chain Project Management)

ザ・ゴールの4冊目で紹介されているプロジェクト管理手法です。人間の特性を考慮しているところがポイントのようです。どんな特性か?

  • パーキンソンの法則(与えられた予算と時間は漏らさず使い切ります)
  • 早期完了の未報告(完了したといったら次の仕事がきますものね)
  • 学生症候群(期限まで取り掛からない。学生だけじゃないんですけどね)
  • 仕事の掛け持ち(暇そうな人を見たら働かそうとする管理者?本当に必要なときにその人は手が塞がっている。。。)

CCPMの詳しい情報はこのサイトを参照してください。

私がCCPMで特に気に入ったところは以下です。

作業時間を2通りの値を使って見積る。1つは50%の確率(ABP:Aggressive but Possible)で実行できる期間、もう一つは90%程度の確率(HP:Highly Possible)で実行できる期間。各タスクにおけるHPとABPの差をかき集めて、プロジェクト全体のバッファ時間として考える。定期的にメンバーが作業時間と残作業のABPをPMに報告する。PMは進捗遅れ分をバッファから差し引いていきます。

昨年度、学生による実ソフトウェア開発でMS-Projectを使って管理していたのですが、どうもイナズマ線だけでは、このプロジェクトが予定通りに終わるかがわかりにくいと感じていました。企業にいたときもそうです。何かこう管理しているという手ごたえが感じられませんでした。上記サイトのCCPMの解説や関連論文を見て、その理由がわかったような気がします。

CCPMは残作業の期間見積り精度を良くしようと努力しています。そうすると、それまでの実績を踏まえて、常にスケジュールが実態に即した状態になっているはずです。タスクに着手してみて難易度が高いとわかれば次回、PMに報告するABPはおのずと長くなります。イナズマ線では遅れはわかりますし、当初の予定に対して残り期間がどれくらいあるかはわかりますが、それが実行可能かどうかはわからないのです。というより、多くの場合は、遅れだしているタスクは当初予定した期間では終わらないことの方が多いはずです。

また、ABPの達成確率は50%に過ぎないのかも知れませんが、それでも目標があればそれなりに意識するのが人間だと思います。天井の低いところで育った蚤がそれ以上ジャンプできなくなる例と同じ?だと思います。それでも、人間は(ズル)賢い面もありますからABPの申告値が狼少年になる可能性があります。そのあたりは申告値が50%で実現できているかどうかをPMがしっかり傾向監視しなければいけないのかと思います。

その他、CCPMには合流バッファやリソースバッファ、クリティカルパスに代わるクリティカルチェーンという概念がありますが、何より私がCCPMで素晴らしいと思うところは、このABPを陽に出したところだと思います。それでいて現実的に納期を遵守するためにHPを意識して、その差をバッファとして数値的に扱っているところが気持ちイイと感じます。メンバーもがんばれば明るい未来がある、そういう希望を持てるかも知れません。

現実的には、予算的に厳しいプロジェクトの場合、ABP値は限りなくHP値に近い(近くしなければならない)でしょうし、その場合、マネジメントのしようがない、そういう状況もよくあるんだろううぁ。。。と想像してしまいます。そうなるとCCPMなどプロジェクトマネジメントの問題というよりは経営戦略的な問題になっていくのかも知れません。