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茂木健一郎の脳科学講義


茂木健一郎の脳科学講義 (ちくま文庫)

茂木健一郎の脳科学講義 (ちくま文庫)


茂木先生の著書はこれで2冊目になります。まだ読み終わっていませんが気づいたことをメモします。


本書の序盤に出てきた「結びつけ問題」と「ミラーニューロン」の解説が最近感じていた色々な問題を説明してくれると感じました。私は素人ですので行き過ぎた解釈があるかもしれませんが、感じたままを書きます。

  • 結びつけ問題

「赤い丸が右に動いている」様子を視覚でとらえたとき、その事象を反応選択性と呼ばれる性質で説明すると、赤という色情報を認識する脳の部分、丸という形状を認識する部分、右に動くことを認識する部分がそれぞれ反応して認識されるようです。ここで、それぞれ知覚された情報がどうやって統合されて「赤い丸が右に動いている」と認識されるか説明できない、それが「結びつけ問題」らしいです。


なんか外国語の習得に関連していると感じました。良く言われる「日本人はとりあえず読めるけど、聞けない、話せない、書けない」という話です。個々の問題に対応した書籍が山のように出版されています。リスニング強化、シャドウイング、○分で話せ、ネイティブはこう言う、英語で日記、多読、翻訳などなど。もちろん、どれも効果がないわけではないと思いますが、何かが違う。。。そう感じる人もいるんじゃないでしょうか?


結びつけ問題を知ると、バラバラに練習しても上達できない(しにくい)理由が見えてくるような気がするのです。言語能力とは、ある言語の音声を聞いたとき、あるいは、あるテキストの一文を読んだときに、自分の頭の中に確かなイメージができるかできないか、そうした力だと思います。要は直訳直解です。そうした引き出しが増やす練習が必要なんだと。


ダイアログでパターン練習するのがいい、映画をたくさん観たらよい、マンガで理解、対訳本などいろいろな方法が紹介されていますが、どうもしっくりきません。例えば、よく知っているマンガを英語で読んだときに、そのときは「ああなるほど」と思うのですが、その言葉だけ見聞きしたときに、その情景が(自然と)想起できるか。。。といえばできません。繰り返し回数が足りないのかもしれませんが、もっと(脳に)直接的に働きかける方法がないだろうか?と感じるのです。


今、個人的に勉強方法として一つイメージしているものがあります。具体的な手順は以下の通りです。まだ試し始めているところなので効果は保証できませんが。。。(なら書くなよ。。。と言われますね。個人メモですからお許しを)


(1)覚えたい英文を1つ選択します。短い一文でもちょっと長い英文でもいいと思います。レベルにあわせて。

(2)その英文の意味を脳の中で十分にイメージできるまで租借します(単に訳を見て理解するだけでなく感情や感覚などを再現するようなイメージです)。租借するプロセスでは、その英文を読み上げ、その音声と感覚を一体化できるまで読み込みます。恐らく、役者のようになりきることも一つの方法でしょうし、脳の中に図形や言葉や映像や五感を十分にイメージすることになると思います。

(3)その感情を持って英語を発している自分自身をビデオで録画します。最近のノートPCはSkype用にカメラがついているモデルが多いですし、USBカメラも安価で出回っていますから環境を整えるのは容易だと思います。macbookだとphotoboothでサッと録画して再生〜と簡単にできます。

(4)その映像を(恥ずかしいですが。。。)見ます。音声と映像を見ながら、自分のそのときの感情を呼び起こします。映像を見て自分自身がそのときに感じていた感情をリロードし、その感情と英語の音声を「結びつける」訓練をするわけです。慣れてくれば目をつぶって音声だけ聞いて、その当時の自分の感情を呼び起こします。

(5)(必要ないかもしれませんが)最終的には、その英文のテキストをパソコンの読み上げソフトを使って読み上げさせます。自分とは関係ない他者の音声によって、そのイメージが想起できるようになれば、もうその英文は自分のものだと言えるでしょう。


音声と映像から能動的な反応を起こすという意味では下記のミラーニューロンに関連した学習方法だとも考えられます。


よく「学問に王道なし」と言われます。それは理解の仕方(脳内でのネットワークの形成方法)には個人差があるからなのではなかと思います。上記の方法では、少なくとも、自分自身の脳で理解しイメージできる状態に持っていっていることを知覚できていますので、その当時の映像と音声を再生すれば「それぞれの脳の理解の仕方で」で英語を直読直解することができるようになるのではないか?ということです。あくまで仮説ですが。コンテンツ作成が面倒ですが、効果は期待できるのではないかと個人的に考えています。


乱暴すぎるかもしれませんが「他人が美味しそうなモノを食べているときに喉が鳴る」そのような反応をする神経細胞ミラーニューロンというようです。パブロフの犬みたいですね。


講義をするようになって、開発現場ではこうなんだよ。。。と話したところで通じないことを体験してきました。また、就職に向けた行動が必要なことはわかっていても準備しようとしない学生さんを見てきました。自分もその口だったので良くわかります。もちろん、これらは学生さんに限らず「時代は繰り返す」という言葉があるように人間に共通する性質?と思えます。この背景として、本人に経験がないと理解する(想像する)ことができない、という問題があると感じていました。もちろん、それだけが問題ではないでしょうけど。


で。飛躍すぎだと思いますが、こうした話にはミラーニューロンの欠如(未成熟)で説明できるような気がします。他者の行為を知覚して、自分のこととして感じる力(力とは何ぞやということがそもそもありますが)、としてです。ミラーニューロン神経細胞なのでしょうから。強化すれば反応しやすくすることができそうな気がします。そこに未来の教育のあるべき姿が説明できるように思います。


後半の章をチラッと見ると、最近知った「フロー」というキーワードが出てきます。これまで、仕事や開発・研究や教育でひっかかっていたことが脳科学に集約されているような気がします。


P.S. 「工学の研究はブルドーザー」は言えて妙だと思いました(笑)