memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

大学院へ進学する、ということ。

6/18 さらに追記 このブログ書いたから読んでみてね、と娘に伝えたところ読んだ感想を送ってくれました。やる気を削いだら意味ないどころか逆効果ですよね。。。ほんと。なんてことしてるんだか。。。我ながら。このエントリーを削除しようと思いましたが、いつかまた同じようなことを考えそうなのでそのときに間違えないように残しておこうと思います。

当日夜に追記:こんな感じに「メリット」を書くのって自分らしくないな。。。と書いたものを見てつくづく思うものでした。賢くスマートに生きれる人間ならもっと違った人生を歩んだと思います。その場のノリで生きてきた自分としてはやはり大学院に進学する第一の理由には「直感」を優先して欲しいと思うばかりです。かっこいい、憧れ、モテたい、アップグレードしたい、なんだっていい、でも経験する前から自分が望むものであること、これが大事と思います。メリットだけ優先して道を選択して楽しめるような世界ではないと思います。自分の内なる声に耳を傾けてみてください。進学してみたい?ならどうぞ。

経緯

昨夜、高校で教員やっている娘が泊まりに来ていました。在職5年以上の先生を対象に、大学院で学ぶ機会が与えられる制度があるらしく、進学すべきか迷っているという話でした。担任としてクラスを持ち、部活を任され、日々充実した時間を過ごしている今、大学院に進学する意味はなんだろう?と。

僕はマスターは学生のときにそのまま進学したのですが、ドクターは社会人になってから社会人博士課程学生として進学しました。会社には許可を取って行ったのですが会社の仕事には影響しないことを第一にしました。当時、うちの会社としては大規模プロジェクトの実行リーダーを任されていたので大学に行くのは土日だけでした。結果、取得まで5年もかかりましたが。。。大企業では海外の大学に仕事として進学できる制度があると聞いたことがあり、まぁ、羨ましいな、と思っていたものです。脱線しました。

大学院に進学して得られるもの5選(私的考え)

娘と私の考えは違うと思いますが、とりあえず、私がやってきて進学してよかったことを整理してみました。自分的にも整理してみたいなと思ったので。

専門家としての基礎(文献調査・論文執筆・発表)が身につく

進学するとほぼ必ず学会等で発表する機会があります。発表するためには論文を書かなければなりません。論文を書くためには文献調査し、自分の研究について、研究背景・提案手法・実験・考察を整理して説明する必要があります。最終的に論文にするのですが、いきなり論文ができるわけではなく、必要なことを計画的に地道に進めていく必要があります。もちろん指導者となる先生が共同研究者としてサポートはしてくれるでしょうけど、それでも自分の研究についてやるのも考えるのも自分です。研究の仕方、論文の書き方、発表の仕方など自分なりに勉強しながら自分なりの作品を作り上げていく過程を通して、情報収集力、情報を整理する力、文章力、わかりやすく伝える技術などが身につきます。これらは実践しなければ身につきません。会社員としても求められる技術ですので社員として向上心をもって働いていれば研鑽できる力ではありますが、教えられる人ってのもそう多くはないと思いますので独学ではなかなか難しいかと思います。

本当の勉強の楽しさを知ることができる

研究はまず研究テーマを決めるところから始まります。研究テーマの決め方は分野や研究室の方針にもよるでしょうけど、少なくとも自分の中で知らずに問題として感じていたことに関わることがテーマとして選ばれることが多いのではないかと思います。例えば、僕の博士課程のときの研究テーマは「自動搬送ラインの設計支援のための準具象物流シミュレータ」だったのですが、これは会社の仕事で工場内の搬送制御に関わるソフトウェア開発に関わっていたときにもっと簡単に試行錯誤できるといいなと考えていたことが動機でした。今となっては読み返したくない論文の1つなのですが。。。それでも、テーマを決めるだけでも2年くらいかかりました。学生もよく「簡単に」と軽く言うんです。当時の私も「もっと簡単に」とはわかっているけどその実現方法がわからない。ググったってChatGPTに聞いたって答えは出てきません。それが研究なんですね。人類は誰も考えていないテーマ。だから世の中に答えがない。答えがないからとにかく調べる考える。答えがあるとすれば自分の中だけです。悶々とした苦しい時間になります。でも、苦しみながらも自分が知りたいことが少しずつ見えてくる経験ができます。作品ができたあとにそれを論文にする過程を通してさらに自分が考えてきたこと言いたかったことが整理されます。世の中、まだまだわからないことだらけです。そのわからないことで自分が解決したいと思う気になるテーマを見つけ、そのテーマについてとにかく考え続ける。この行為こそ研究であり本当の意味での勉強だと思います。多くの人にとって勉強は辛く面白くないものと思われているかもですが、それは大きな間違いと思います。自分が知りたいことを追い求めることができる行為を勉強というのであれば、勉強ほど楽しいものはない、僕はそう思います。(受験勉強は自分が知りたいことではなかったので。。。面白くなかったですけどね:-p)

新しい問題を発見し考え実践できる力がつく

研究テーマについて調べ、考え、まとめ、実践していく経験をします。その結果、その研究プロセスを別の問題に対して適用できるようになります。進学する意義で最も重要な要素がこれだと思うんです。周囲の期待もこれでしょう。マスターの研究期間は2年しかありません。その後の人生の方が長いわけです。仕事で問題に遭遇したときにその問題を解決するための方法について考え始めることができるはずです。普通の人はその手法を持っていないのでググって調べて無ければ日々忙しいですから思考停止です(←言い過ぎですが。。。)。でも、考えることを習慣にできたのであれば、問題を問題として放っておくことはしたくないでしょう。その分野、その仕事場が抱えている問題について考え、新しい方法を提案し、組織を変えていく。会社だって学校だって地域だって、本当はそうありたいわけですが。実際にやるかは別として、少なくともやり方(変え方)について調査し考えることはできるはずです。もちろん大学や大学院に行かなくたってできる人はできます。でも大学院で学んだ経験があればそれがしやすくなる、そこかと思います。

新しい物の見方を獲得できる

何かを学んだあとに世の中の見え方、モノの見え方が変わった瞬間を体験した方は既に体験されているかも知れません。学生のときには学生なりの視点で考え行動します。会社員になったら会社員としての見方・考えになります。日々の仕事や生活を通して、自然と環境に適応して無理・無駄なく動けるようになります。普通に生活できている人であれば誰もが持っている能力です。ただ、普通に生活していると見えている世界は見えているだけの世界に留まります。何のこっちゃ?という感じかもですが。大学院の研究を通して、色々な考え方・方法論を知るでしょう。それは今の自分にはない考え方のはずです。同じ環境に置かれたとしても人によってその状況の捉え方は異なるはずです。様々な見方を知ることで、物事を多面的にそして深く理解することができるようになるでしょう。表面的に物事を捉えることは間違った判断・行動に結びつきます。現象の構造や仕組みを考え理解することは本質的な解決に向けた行動に繋がると思います。とても抽象的ないい方しかできていませんが。。。とても大切なスキルだと思います(←言いたいことはこれなんですが。。。良い例が浮かびません。今日のところはこの辺で)

博士号取得の切符が手に入る

僕は博士号がないと大学教員にはなれないと指導教官に言われて社会人博士課程に入学しました。実態はそうではないことに後で気づくのですが。。。でも、取っておいてよかったことは間違いありません。娘は高校教員なので高校教員が博士号を持つメリットはあるのか。。。わかりません。ただ、僕もサラリーマンSEから転職して大学教員になれていますから、人生の選択肢が広がることはあるでしょう。博士後期課程は楽ではないですし、社会人としてその課程に入る苦労はよく知っています。何か目指すものがなければ難しいでしょう。マスターとは違って。でも、マスターを取っていれば次のステップに進むことができます。修士号には期限はないはずですから、もっとあとになって時間ができたら取るというのもあるかもです。

ちょっと後半、息切れしてしまいましたが。。。とりあえず今、頭に浮かぶことをつらつらと書いてみました。僕はブログでは推敲は一切していませんので読みにくいところが多々あるかもですが、もし気になれば読んでいただければ幸いです。