2007年もあとわずかになりました。卒業研究も大詰めです。しかし、うちの研究室は人がいない。理由はわからないではないのです。自宅であれば寝そべりながらでもテレビを見ながらでもできます。寒い中、大学に通うのも面倒というのもあるでしょう。何より、ソフトウェアの研究の場合、コンピュータとネットワークがあればどこでも仕事ができます。最近、大学のネットワークが遅くなっているので、自宅の方が快適かもしれません。私と顔を会わして何も進んでいないことを指摘されるのがイヤな学生もいるでしょう(苦笑)。
さて、前置きが長くなりましたが、上記のような状況を顧みて、今後、本研究室のゼミ室をどうすべきか考えてみました。ゼミ室で仕事をするデメリットは上記に挙げたようなものだと思います。逆に、メリットは、指導教官から指導が受けられる、やらなければならない雰囲気があるので捗る、ゼミの友達に会える、研究に関係する書籍がある、通学するのに外に出るので気分転換になる、多少なりとも運動するので痩せられる、ゼミ室のパソコンやネットワークが利用できる(自宅にパソコンやネットワーク環境がない場合)。こんなところでしょうか。
前提をどこに置くかで話が変わってくると思います。研究はゼミ室ですべき。そう指導している研究室もあると思います。逆に、期限内に成果が出れば研究の時間帯も場所も指定しない研究室もあると思います。私は後者でしたが、あまりにも進捗がなく、前者に切り替えた時期もありました。とりあえず、後者で話を進めたいと思います。
研究報告はHatena Diaryを利用してもらっています。宿題は研究室のWikiに書き込んでもらっています。先週からちょっとした指導にtwitterを勧めてみました。でも、まとまった指導は直接対話でないと難しいところがあります。現状の問題や進捗状況を十分言葉にする技術を持っているならHatenaで十分ですが、報告の多くは「プログラムを作ろうとしたがわからなかった」といったレベルのものです。問題に気付かせ本質を掘り下げる必要があります。それには直接対話しかありません。それ以外のメリットは精神的・肉体的な健全性を求めるためのものであって、人によって価値観も異なるでしょう。パソコンはほとんど全員が所有していますから最後のメリットも該当しません。したがって、学生がゼミ室にくるメリットは「教員による指導」に落ち着くんじゃないかと思います。
ゼミ室の方向性を3つイメージしてみました。
(1)プレゼンテーションと議論をするためのスペースを充実する
(2)ミニ図書館のごとく、研究用資料・図書を集め、手軽に利用できるようにする
(3)フリーアドレスにする
それぞれ独立なものではなく合わせ技することも可能です。ただ、本研究室ではゼミ室が一室しかないため空間的な制約があります*1。
上記(1)案についてはプレゼン用の機材は完備しました。これをもっと進めて、作業スペースを削りソファや会議テーブルを置いて、プレゼン用の空間を充実させようというものです。自宅でしっかり成果が出せるメンバーにはいいかもしれません。(2)案は。。。ま、とりあえずの案です。資料は無いよりあった方がいいという案です。(3)案は、具体的に来年から試行してみたいと考えているアイデアです。現状でも席を固定しているわけではないのですが自然と座る位置が固定されています。あのマシンは○○さんが使うものだという意識があります。ただ、ほとんどゼミ室に来ない人のために、限られた空間を確保しているのもムダです。よく利用する人により良い空間を提供したいと考えています。利用する人がパソコンを棚から出してきて資料を出して好きなところに座ります。帰るときにはそれらを整理します。机の上には何もありません。パソコンがノートであることが前提になりますが、ゆくゆくは全台ノート化していきたいと思います。本研究室では本格的なOAデスクを採用しているので作業エリアはしっかりしていますが手狭な感じではあります。もっとライトな机を並べた方が自由な空間が増えるかもしれません。企業ではありますがウノウラボさんでの取り組みが参考になります。「同じ席に座らない」というルールはナイスかもしれません。
*1:私が学生のときにはゼミ室とコンピュータ室が別々だったため、静と動?遊と学?を空間的にわけることができました。