私が所属している学科には学年ごとに各ゼミのテーマで学ぶ必修科目があります.
2年次後期には情報学序論という科目があり,本研究室(ソフトウェア開発系の研究室)でもいろいろなテーマを扱ってきました.過去5年はこんな感じです.
- 2017 スマホゲームプログラミング(HTML5, javascript)
- 2018 コンピュータシステムの理論と実装(HDL・コンパイラ・OS・VM自作)
- 2019 iPhoneアプリ開発(Xcode, Swift)
- 2020 Unityプログラミング(Unity+C#)
- 2021 プロコンチャレンジブック(C++)
で,今年は表題に挑戦してみることにしました.
この表題のサービスを利用するにはAWS Academyに登録する必要があるのですが,別の授業で4月から利用経験がありました.
AWSはAmazon社のサービスだし2年生には向かないか...と思い込んでいたのですが,動画教材が提供されていることを知り,これは授業に活用したら...資格取得も目指せるし(単に資格だけではなく仕事の技術としても使えるので)学生さんにとってもメリットが大きいかと感じ採用することにした感じです.
学習教材にはAmazonの社員さんによる解説があり,中にはEC2やS3などの設定を実際にやってみる演習もあり,最後には理解度確認テストがあります.あくまで資格取得を目指したものですが,演習もしっかりできるのがとてもいいと感じています.
教材は全部でモジュールが10個あります.授業は90分間で14回の授業(1回目はゼミテーマ說明&配属希望調査)ですが,だいたい1モジュール1回で終わる感じで進められました.
オンライン授業なので,学生のみなさんはそれぞれご自宅(遠方の学生さんは寮だったり学生マンションだったり)からの受講でした.Zoomを使って最初に挨拶して「じゃ,今日も頑張りましょう」という感じで進め,私も初めてだったので一緒に受講しながらSlackで感想やわからないところの情報共有などしながら進めました.
結果,配属になった学生さんは7名だったのですが,そのうち6名がモジュール10まで完了しました.いや素晴らしい.
で,本日,15回目,最終日でした.
既に半数以上の学生さんがモジュール10まで終わって修了証も得ていたので,各自から簡単なコメントをもらいました.聞いたのは,良かった点,改善が必要な点,来年もこの授業をやってよいと思うか?などです.
Tさん:問題は特になかった.ラボで実際にAWSサービスの設定ができたのがよかった.
Sさん:動画の内容を(動画だけで)理解するのは難しかった.都度,インターネットを検索したりYouTubeの解説動画を見て補足しながら進めた.AWSを勉強するためにアカウントを作ったりするのは大変だと思うが,授業でやってくれたらそれらの敷居が低くなり(単位に関わる授業のため強制力もあるので)AWSのサービスの勉強の機会となったのはよかった.
Bさん:理解があまり早くないので自分のペースで進められたのはよかった.わからないところは繰り返し動画を見ることができた.困ったこととしては,テスト終わったと思ったけど実は終わってなかったと先生に言われたことだった.教員画面の評価表を毎週掲載するか,評価の数値の見方を学生さんに說明したてくらたらいいと思う.
Nさん;動画を見ただけでは専門用語とか出てきてよくわからなかった.モジュールの最後にまとめ資料があってそれは理解に役立った.
Yさん:動画はわかりにくかったが今後役立ったと思う.
という感じでした.
まだ2年生ということもあり,ネットワークの知識も不足しているところがあったと思います.学習教材の動画では,コンピュータやサーバーやネットワークのことを知っている前提で話しが進められますので,解説の専門用語が一般用語なのかAWSの固有名詞なのかを区別するのが難しく理解が難しかったと思います.
実際にマシンやルーターなどの機器を目の前にして結線したり設定していれば理解ができるところが,すべてクラウドで仮想化していますのでゲームのようにブラックボックスとして理解を進めなければならないのはまさにイマの時代の仕事(技術)だな...と再認識した次第です.
とはいえ,AWSはいまソフトウェア開発で関わらない方が難しいサービスと思いますので,とりあえず学生のうちにでも触った経験があるのは悪いことではないなと思いました.来年度の自分がどう考えているかは自信がないですが,また採用したいと思います.
以上です.