memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

学生からインタビューを受ける経験

はじめに

今週火曜日のゼミ授業の終わりに1年生の子が「授業で身近な社会人にインタビューしてきなさいと言われたので先生をインタビューしていいですか?」とのことでした。

えっ僕でいいの?と聞き返しましたが「お願いします」とのことだったので、別日にゼミ室でインタビューを受けることにしました。そういえば、10年くらい前に知り合いのお子さんが同じような宿題が出てインタビューを受けた記憶がありました。懐かしい。

自分について人に伝える機会はそうありませんので新鮮というかいい振り返りの機会だったなと思います。どうせすぐ忘れるだろうから書いておこうっとと思いこれ書いています。

インタビュー内容

最初、質問項目に沿って答えていったのですが、僕があまりに脱線するものなので、途中からその子のことも聞きながら自由会話形式で進めていきました。これも(その子の人生も)面白かったです。これは個人情報なので書けませんが。思い出せる主な質問について書いてみます。

仕事・活動について詳しく教えてください。

教育と研究です。研究は。。。前職でソフトウェア開発の仕事をしていたので、少しでも現場をよくする方法が考えたり作れたらいいな。。。と思い、分野名でいうと、ソフトウェア工学、プロジェクト管理を研究し始めました。実際には色々と問題があり、今は身近なテーマであるプログラミング教育を研究しています。

どうして、その仕事や活動をするようになったのですか?

話せば長くなりますが、大学院を出て色々と就活したものの準備不足で(今のようにインターネットも主流ではなかったので情報不足だった)就活が思うようにいかず、恩師が共同研究していた地元の企業に募集が終わった後で試験をしてもらい入らせてもらいました。その後、色々と思うところがあって教える仕事がしたくなり社会人博士課程に進学し仕事しながら博士号取得を目指しました。5年かかりましたが恩師らのサポートのお陰で何とか修了できました。普通のサラリーマンSEだったので業績がほとんどなく転職活動も困難を極めましたが、たまたま現職の採用条件に「実務経験」があったため、業績不足を補う形で採用が決まり今に至ります。

仕事・活動の、やりがいは何ですか?具体的なエピソードがあったら教えていただけますか?

企業では実際にお客さんやチームのメンバーと一緒に1つのシステムを作り上げること、それが社会で実際に利用されることにやりがいを感じていました。大学では、お客さんから与えられたテーマではなく、自分で考えたテーマを掘り下げられるのが面白いですね。特に、今、3年生向けのゼミ授業でオリジナルゲームとオリジナルゲームコントローラの開発を4年くらいやっているのですが、形式こそ「ゲーム」「コントローラ」ですが、何をどう作るかは全くの白紙からスタートするので、1年間かけて学生さんと一緒に考えて形にしていく作業がとても面白く感じています。自分自身、本を読んで勉強するより、何か玩具を触りながら発想しながら形にしてくのが好きで、そこからの学びが一番重要と感じてきましてどうにか授業でできないか考えてきた末にたどり着いた授業形式ですので、今、とてもやりがいを感じています。

これまでの人生で大変だったこと、苦労したことを聞かせていただけますか?

そうですね。。。会社の仕事ももちろん大変だったと思いますが。やはり社会人博士課程のときが一番大変だったように思います。博士後期課程の期間は3年でその倍の6年が在籍期限(←こんな言葉があるかわかりませんが)となります。研究テーマを決めるだけで2年以上かかりました。言い訳になりますが、研究できるのは土日だけ。子どももいましたので妻・子を実家にあずけて家のことは最低限しかしませんでした(できませんでした)。会社がある件で倒産しそうになり親会社の支援で存続するかわりにボーナス等が大幅にカットになる時期が続きました。経済的にも困難ななか学費も出しつつ、そして研究を期限内に終わらせなければならなかったですし。やっと研究がまとまったものの論文にまとめるのに毎週レビューしてもらいながら1年近くかかりました。投稿してからも査読待ち状態が半年以上続きました。今、振り返ればもっとスマートなやり方があったと思いますが、その当時は経験もなく。。。本当に長い目で指導していただいた先生方には感謝です。

どうやって乗り超えてこられたのでしょうか?

む、難しい。乗り越えたとも思えませんが。。。でも、目の前のことに集中してやるしかない、そういう心境でした。経験がないので先も見えません。どれくらいやればどういう結果が得られるのかも想像つきません。でも前進するしかない。一つ言えるとすれば諦めなかったでしょうか。←というのは嘘で何度も折れていましたが。。。家族がいたのでそれまでの犠牲を考えると止めるとは言いにくかったのだと思います。記憶が改ざんされているかもですが。

〇〇さんが、「幸せ」と感じるのはどんな時ですか?誰と何をしているときですか?

家族と一緒に御飯食べているときですね。帰宅が常に遅いのでなかなか一緒に食べる機会は少ないのですが、週末などテレビなど見ながら一緒に御飯を食べているときが楽しいのかもしれません。

今の目標か夢を教えてください。

現職の残り期間もあと10年くらいになりました。とにかくそのときに気になったことを無節操にやってきたつもりですがそれぞれがバラバラ過ぎて、◯十年一筋に研究してきました、というようなものはありません。飽き性なのでたぶん私には向かないのだと思います。今後も色々と刺激を受けてやりたいことが変わっていくと思いますが、今、考えているのは農業です。ITと相性がいいということをマンガ(会長島耕作)で知りました。浅いですね。。。ほんと。でも、それでいいと思っています。人間始める理由が何であってもいいんじゃないかと。ビニールハウスで制御して美味しい何かが作れたら嬉しいと思っています。制御もシステム開発も得意分野です。実際に食べられるって今、改めて面白いと思います。

人生の先輩として私に、一言アドバイスをお願いします。

こ、これまた難しいことですね。。。自分を振り返ってやって良かったと言えることは、自分で何かしようと思ってしたことで無駄だったことはほとんどない、ということです。まじめな勉強にせよ趣味にせよ、です。なので、◯◯さんが今、やりたいこと、やってみたいことが色々とあると思いますが、それをぜひやってもらってもし気に入れば打ち込んでもらったらいいなと思います。自分が楽しいな、と思える時間を過ごせばもっともっと関わろうと思うはずです。色々と試行錯誤しているうちに色々な壁に出くわすと思います。そんなときに何かしたことはたぶん未来にも使えると思います。要は、今を楽しんで、ですね。

おわりに

実際に話したことを文章にしたつもりですが、脚色しているところもあるかもしれません😁すいません。よく見せたいというのは人の常かと。。。年を取ればとるほど自己肯定感が増す(成長の阻害要因と思いますが💦)私でした。

最後に、インタビューしてくれた学生さんがいうには、私がゼミ授業の開始時の自己紹介のときに「転職していま先生やっている」と言ったらしいんですね。そんなこと言ったかなぁ?と思いましたが。。。面白いものですね。それで気になってインタビューしたいと思ったんだそうです。袖振り合うも多生の縁っていうのでしょうか。この学生さん、飯塚で実りある学生生活が送って飛び立って欲しいなと思います。おしまい。