図書館で手に取った本です。
辞典ではなく事典なのはその名の通りかと思います。
つまり、AI研究に中心的に関わってこられた先生方が日本(および日本からみた世界)のAI研究の重要な事柄を整理してまとめた本でした。とはいえ、辞典的な解説もあるのでただの回顧録ではないとは思います。
ざーっと読みました。
知らないことも多々ありましたが、専門家からみたAI周辺のワードやイベントや人物が整理できました(といってもすぐに忘れますが)。
数式は一切出てきません。読んでいて「知る」楽しさがあります。
ただ、これ誰向けなんだろう?と思うところもあります。扱っている内容がかなり広範囲なので。
私のように雑多なことに興味がある人には色々な事柄の関係性が見えてくるのは楽しいとは思いますが。
一般人が読むには関心が薄いところもありそうですし。ガッツリ専門家が読むには薄い気もします。9千円もしますので余計な心配をしたくなります。
人工生命の池上先生も解説されています。AR・VRというページではtwitterを使っていたときによく見てたあの人が解説されていました。覚えておきたいワードがありましたのでちょっと引用します。
VRはAIと関連する文脈で語られることが少なくないが目指すところは異なる。極論すれば AIは、機械に知能を与えることが目的である のに対し、 VRやARが目指すのは、人間の知能を拡張することであって、外部に対してIA(Intelligence Amplification)という言葉を使う人もいる。もちろん、VRの洗練化のためにAIを活用する必要があることはもちろんあるし、AIの判断結果を人間に伝えるためにVRを活用することも重要な課題であり、両者が密接な関係にあることは言うまでもない。
なるほど。XRは人間の知能を拡張することが目的なのか。。。確かにXRは人間が使うことを前提とした技術の集合体。人が現実世界の制約を越えた体験を仮想世界でできるようにする技術。。。その体験が知能の拡張とすれば確かにそうだと思う。
久しぶりにあの人のtwitterを見に行くと退職された?ときから更新がとまっているようでした。残念。。。
あ、ちなみにこの本は2019年発刊です。なので最近のAI研究からするとかなり時間が経っているような気がします。第4版がそのうち刊行されるのでしょうか。
あと、全く関係ないですが、最初の事柄としてAIUEOというコミュニティがあったと紹介がありました。こういう勉強会を集まってやられていたんですね。ぐぐると文献がありました。ちなみに、検索トップにくるのは別のAIUEOでしたが。。。関係があるのでしょうか?
こういう事典も面白いですね。