昨日、以下を書きました。
本題の付け足しでDXの論文を読んでみたことも書きました。その続きです。
世の中でいうDXとはなんぞやをほんといまさら少し調べました。といってもKindle Unlimitedの以下の本を数冊流し読みしただけです。Kindle Unlimitedってこういうときにとても便利と思います。昔なら図書館に行って検索システムにワードをいれて。。。とかになりますが、Amazonで一気に検索して発刊年はもちろん評価もわかりますし、著者で追検索もワンクリックでできますし。
以下は昨日の検索では見つからなかった本でして。面白そうなのが以下の2冊です。帰りの電車で読んでみます。
全部が全部ではありませんが、やはり、DXの始まりとして紹介しているのがこの私が読んだ論文のようで、引用はDXを定義した初めての論文だということでの紹介のようです。間違いはなかったようです。
The digital transformation can be understood as the changes that the digital technology causes or influences in all aspects of human life.
確かにその文章は書かれていました。ただ、この論文で言いたいことは別だと思うんです。私の理解は上記のエントリーに書きました。さらに要約すると以下です。
我々がgood lifeを送るためにinformation systemを利用しないわけにはいかないけど、そのresearchのされ方が不十分だと。我々、一般が近年のinformation systemの利用によって獲得した美的経験(aesthentic experience)という3つめの軸を入れていくべきでしょう
まぁ、都合が良かったんでしょうね。
さて、DXです。
どの本もコンサルの人、現場で働く人、ITシステムの関係者、経営者、それぞれの立場でビジョンや経験からのメッセージを届けてくれています。なるほどと思うことばかりです。
DXが出現して、やらなきゃなと思いつつやっていない会社とか、やったもののうまく行かなかった会社とか、もう既に何周か回ったあとに人に向けての本になるかなと思います。
論文の引用の仕方が妙であり本質を語っていると私は思います。つまり、日本企業のIT化の遅れからの世界的な競争力の低下という現状を鑑み、IT化に動いてもらうためのワードが欲しかった、ということなのでしょう。
ある意味ではもちろん正しいのでしょうし、いつかはやらなければもしかすると確かにうちの会社やばいかも。。。ということもあるんだろうと思います。 DX化推進しないと競争力低下で12兆円の機会損失になる というワードもセットです。
例えが小さな話で申し訳ないですが、これってダイエットとかと似ていていると思うんです。このままいくと5年後には病気になるよと定期健康診断でいわれるわけです。自分の身に起きるかもしれないリスクが定量的に示されているわけですから、まじめに考えればDXどころか本当に恐ろしい話のはずなんですが。。。やらないですよね。。。私もある項目でD判定が出続けているものがあるのですがなかなか行動できません。
個人レベルでそれですから、世の中はもっと鈍重になります。やらなければならないとわかっていることでもなかなか行動できない。一部の人が行動を起こしてもなかなか広がらない。トップダウンでやらないとダメだとも思いますが、現場の人にやらなければ死活問題だという価値観もない状態でやらされる方がいい結果を生み出せるとは思えませんしね。。。難しいところです。
これって、ソフトウェア工学でいう 銀の弾丸 だなと思う人もいると思います。ソフトウェア・システムは世の中に存在するどんなシステムより複雑だと言われておりまして、そのソフトウェア・システムを構築するための唯一絶対の特効薬的な手法はない、というのがこのワードの意味になると思います。
個人的な話で恐縮ですが少し書きます。
大学院出たての頃、前職の会社で働きだして、その当時、会社の主流言語はC言語だったのですが研究所に短期派遣されてC++やUnixを勉強させてもらう機会を得ました。そこから帰ってきて社内の技術研修会でオブジェクト指向の話をさせていただく機会があったのですが、これで生産性があがるよ〜 などと軽々しく言って大炎上しました💦
今、思うとまったくお恥ずかしい話でして、たかが3ヶ月くらい勉強したくらいでC++もオブジェクト指向もやっと書けるようになった状態でしたので、その意義を説明できるはずもありませんでした。その後、何個か案件をこなして体験を得ましたので少しは説明できる程度にはなりましたが。結局はその会社の業務にとって、オブジェクト指向という銀の弾丸をどういう場面でどう利用していくか、そこを自分自身がちゃんとわかってないとダメだったし、人に説明したり説得することは無理でした。
でも、DXの本を読んでいて僕の中で自然と浮かんだのがこの情景でした。辞めて20年も経っているけど、でも、今の会社でも似たような状況があるんだろうなと思います。
言いたいことは、 DXがもし本当にその会社にとって必要だったら自然と改善されていくだろうし、もし、失敗し続けているならやはり必要とされていないからなんだろうな と思うのです。ぶっちゃけDXなんて誰もやりたくないんだと思うんですね。言い過ぎ感はありますが。今、仕事を精一杯やっていて、その仕事の仕方も組織にとってはこなれてきていて、そのやり方を変えてまで得られる素敵なことが本当にあるのか?イメージできないし、そもそもどうやっていいのかわからないというのが現状なんだと思うんです。
そんなときにはコンサルやベンダーの出番ではあるとは思うのですが人任せでうまくいく保証はありません。コンサルもベンダーも仕事ですから、一定の時間で一定の売上を上げなければなりません。できれば手間をかけずに売りたいと思っています。それは決して悪いことだとは言っていません。
ただ、顧客が抱えるビジネスも少なくとも少しはやってみないと本質はわからないし、顧客がその本質を言語化できるかもわかりません。わかったところでどこをどう変えればいいのか?既存のツールや手法をどう適用すればいいのか?はすぐにはわかりません。試してみるしかないと思います。昨日の講演のExperimentではないですが。
以下の本の著者はIT系のコンサルとしても活躍されている方で、その上司から 「コンサルは愛だ」 と言われたと書かれていました。僕も激同します。論理的に考える一方で本当にその顧客が求めるものを感じて実装する。。。そこに愛は必要なんだと思います。知識や経験ももちろん必要だと思いますが、まずは愛がないともう一歩の工夫はできないでしょう。
長くなりましたが。
DXの実現は一筋縄ではいかないでしょう。会社をよくするための目標を決めてみんなで共有して、そのためにできることを知識のある人とともに作り上げていく必要があるんじゃないでしょうか?ということが言いたいことです。青臭いことですが。それが現状の仕事の上に乗っかるわけですから。。。難しいですよねぇ。実際には。僕は現場にいたころよく 言うは易し行うは難し が頭に浮かんでいました。
そういう価値観を根付かせるためには教育が必要なのかもしれませんし、いわゆるIT人材の雇用を促進するという手もあるかもしれません。
上記のある本に 米国企業ではIT人材の多くが一般企業にいる一方で、日本はIT企業に多くがいる といったことが書かれていました。確かにそうだな。。。って思います。情シスとか言われるようになりましたが、それも規模の大きな企業に限られますよね。ちょっとIT人材を雇用したところでその方の負担が増えるのは目に見えていますし。
結局はITスキルとITに関する常識感を底上げすることなんじゃないかな。。。とも思います。全人類プログラマ計画をある方が提唱していました。初等教育でもプログラミングが取り入れたれていますが、でもね。。。ITで生活や仕事をラクにしたいと発想し実行したり実験したりできる人ってやはり限られていると思うんです。多くの人ができないし、できてもやらない、もしくはやっても広めないというところなんじゃないかと。
どうすればいいんでしょうね?私にもわかりません。
(なんちゅうオチなんだ。。。💦)
仕事します。