ここ数日に、働き方に関する話題をいくつか目にしました。
ちょっと思うところを書かせていただきたいと思います。
いつものようにちょっと前振りから始めます。
数年前より学科の就職委員を担当しています。
学生さんも様々ですから一概には言えませんが、仕事の内容というよりは、企業ブランド(というか自分が知っているかどうか)、休日日数、残業時間、地域などを優先する学生さんをよく目にします。
休日日数に重きをおくのは昔もそうだったと思います。
また、福岡は日本でも住みやすい都市で上位に来ますから、福岡に住み続けたいという気持ちは理解できます。
また、会社での就労経験がないと、自分が働くことによってお金をもらうこととは別の意義を感じたことがないと思うんです。
仕事をやり遂げた達成感、メンバーと一緒に苦労してプロジェクトをやりきった充実感、大げさに言えば自分の存在意義などです。
そういうのがない状態で仕事の内容で会社を選択するのは少し難しい気もします。ソフトウェアのように形のないものはなおさらかもしれません。
極端な場合、地域を優先するあまりに本来はやりたいことがあってそうした企業に入りたいにもかかわらず違う業種を選択してしまう。。。ということもあります。
それぞれ自分の人生ですから正解も間違いもないとは思うのですが。。。ちょっと寂しいです。
最近、以下を見かけました。
「モテる」ってのは非常に強い動機だと思います。
確かに、最近、ネットで目にするエンジニアの方はカッコイイです。
企業活動とは別にオープンソースの世界で活躍されている方もいます。
モテないわけがない。。。とも思いますが。
この記事のコメントが面白い。
IT企業も様々でしょうから、実態をあらわしているのかもしれませんし、単に憶測で書いている人もいるかもしれません。
本当にモテるかどうかは別として、エンジニアってカッコイイと思う反面、カッコイイのはトップの一握りであり、縁の下の力持ち?的な若者は搾取される一方で、そうは成れない、そんなイメージを持っていることがうかがえます。
次に目にしたのが以下の記事。
こんな会社もあるんですね。
週40時間どころか週32時間にする。プライベートを充実することでクリエイティビティを向上する。働いている人が公私ともに幸せであれば会社は繁栄する、そんなメッセージが聞こえてきます。
直感的には素晴らしい考えと思う反面、本当に集中しているときに「私」のことが考えられるのか?、クリエイティブな仕事はそんなに時間的に割り切って産み出せるのか?、疑問がわきますし知りたいところです。
もっとも、いつでも帰れるのに家に帰るより仕事してた方がいい。。。という人にはちょっと辛い職場かと思いますが。
そして、今日見たのが以下の記事です。
Why Silicon Valley's Tech Talent Worked For Free Over The Holiday
英語なので...下手ですが超意訳すると。
著者が日曜(←労働者の日の前の日)の夜10時にコーディング上の問題をStack Exchange(←知恵袋的サイト)に投稿しました。この問題は著者が数週間に渡って解けなかった問題でした。投稿して30分もしないうちに答えを投稿してくれた人がいました。答えとしては不十分だったので、さらにそれを改善するためにたくさんの人が真夜中を越えて加わり結果的に解決しました。ちなみに、この著者はこの問題を解決するために以前に開発者を雇ったものの、その開発者が作ったプログラムは答えが出るまで10分もかかる代物でした。このStack Exchangeで提示された解決法は数秒で答えを出した。シリコンバレーで働く有能なエンジニアは高給取りである一方で仕事大好き人間が多い。この著者が知るところでは、そうしたエンジニアの多くは自分の抱えている案件とは別に、こうした質問サイトの支援にも力を入れている。シリコンバレーを搾取される場所(←Amazon.comの最近のニュース)と判断する前に、多くのエンジニアがこうしたボランティア活動に力を入れていることを頭に入れておくべきだろう。一番の問題は仕事と生活のバランスをどうするかではなく、他の生活と同じように仕事を楽しめるかどうかが重要だ。子どもの頃、夏休みにロボットを組み立てたり、夜や週末にプログラミングを勉強したりしていた人にとって、IT企業(the tech industry)はその答えを見つける意味ある場所だろう。
という感じです。
こうしたプログラミング好き好き人間のボランティ精神を悪用する企業もあるかもしれません。
でも、そこばかりに目が行ってしまうと本当に自分が実現したかった人生は変わってしまうかもしれません。
本当にやりたいことがあるなら、企業を見極めつつ、その道に一歩踏み出して欲しいと思います。
好きだからこそ時間も忘れて没頭することができるでしょう。
学生さんの保護者の方の中には「身の回りのIT企業で働く人はいつも帰りが遅い」と仰る方がいます。
我が子にそういう道を選択して欲しくないという気持ちもあるようです。
それはそれで仕方のないことではあるのですが、没頭できる仕事がある。。。は素敵なことだと思います。
仕事のどこに魅力を感じて携わるのか人それぞれと思います。
意中の会社に入ったからといって、携われる仕事は違った。。。ということもあるかもしれません。
だから諦めるのか、だからこそ何かするのか。
それも人それぞれですが。。。ITでエンジニアを目指して大学に進学したのだとしたら、一度は仕事で開発を体験してほしいなぁ。。。と思います。
最後の記事のタイトルでとってもカッコイイセンテンスがありました。
それを載せてこのエントリーを閉じたいと思います。
There Can Be No Innovation Without Passion
かっこいい。。。