長いまえおき
以下の本を2週間くらい前に借りたもののなかなかタイミングがなくて読めていませんでした。
SFプロトタイピングの入門書です、と書かれています。
SFプロトタイピング?ナニソレ?と思ったものでした。調べるともう4年くらい前に流行ったキーワードとのことです。なかなか恥ずかしい💦
私のところの研究室の研究室名は「ソフトウェア研究室」といいます。自分でつけたわけではなく当学科を立ち上げたときの学科長がつけてくれたものでした。
かなり曖昧な名前でソフトウェアに関して研究しているんだろうとはわかるけど、じゃ、具体的に何を研究しているかわからない。。。ですよね。
何度か変えようとしてきたのですが、これというものが思いつきませんでした。
フィジカルコンピューティングやってたようなときもありましたのでそうしようかと思いましたが、じゃ、アプリケーションやXRとかはどーするんだ。。。という感じですし。
ここ数年はエンターテイメントコンピューティングというキーワードを使わせていただいています(IPSJに同名の研究会がありますが参加していません💦なので居心地の悪さはずーっと感じていました)
カチッとしたシステム開発を主にやってきたけど、仕事も生活も勉強ももっともっとラクに楽しくできるよな、と思い描いてきました。この考えをあらわすキーワードがわかりませんでした。発明もできていませんでした。
言ってしまえばSFなんですよね。。。現存するハードウェアから未来を創るので本書でいう フォアキャスティング な思考になると思いますが。
それでも、今はないけどこういう未来もありえるかもしれない、というものを作ってきました。
そこにこの本を読んでなるほどと思うことばかりでした。
SFプロトタイピングもSF小説も作ったことはありませんが、これからの思考ツールあるいは教育ツールとしてぜひ使っていきたいと思いました。今さらですが。。。本書もさきほどポチらせていただきました。本棚においておきたい本です。
ざーっと読みながらメモを書きました。これだけ読んでも読んでいない人にはなんのコッチャという感じかもしれませんが書いて置かせてください。
読書メモ(本当に走り書き程度のメモです)
「未来は予測するものでははく創造するものである」 著者:樋口恭介氏
SFプロトタイピング - 目を開けたまま夢見るツール - 現実の延長線上にはないぶっとんだ未来を思い描くこと - noteの入門記事
SFとは ここではないどこかを を描いた虚構である
我々が生きている世界は人間が想像したものからできている。自然とわいてきたものではない。想像が未来を創造してきたということが事実としてある。だから、これからの未来も想像なくして創造はないということ。
我々は日々、現実的な制約(時間やお金や人)の中でそれでもよりよく生きようとして工夫して生きている。これは発明ではなく開発なんだという話。
本当の意味での発明とはそれまでにあった世の中の何かしらを破壊するものである(ツイッターは発明ではない、何も破壊していない) - 馬が車に置き換わったことを考えて欲しい。馬車の発想から逃れれないうちには自動車は発明できない。
コンサルティングとは愛である(樋口氏の上司のお言葉)
ストーリーテリング - 総務省がSF小説を作った話、リンク切れしてたので当時騒がれた記事がいくつかった
優れたストーリーの満たすべき条件 1. 新規性 新しいか?意外性はあるか? 2. 共感性 感情的な表現やリアリティがあるか? 3. 構築性 すべての要素が有機的に連動し、1つの世界観を生んでいるか? 4. 論理性 展開は適切か?展開にムリ・ムラ・ムダはないか?
SF小説を納品するコンルティング会社 https://wired.jp/2020/06/17/14-questions-for-scifutures/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000016039.html https://wired.jp/sci-fi-prototyping-lab/
手法:スペキュラティブデザイン
SFプロトタイピングの実施の流れ
- 物語を作る:物語を通して製品のある世界を疑似体験することによって、点を線に、線を面にすることができる。
- スコープ定義 :未来から逆算して、ロードマップを作成する。
- 設計・実装 :物語とロードマップをユーザに向けて公開する。
物語を作るときには ボールをできるだけ遠くに、あらぬ方向に投げてみる ように考えるといい。
物語を発想するアプローチには フォアキャスティング と バックキャスティング がある。意味はその名のとおり。
ただし、 イシューからはじめない ようにしようということ。研究はイシューからはじめるね。。。でも、そうではない研究もある。萌芽的な研究というやつか。未来を作るにはどちらも必要だけど。。。
SFプロトタイピングを行うときにまず考えるべき3つのこと: 1. SFプロトタイピングを行う目的を設定し、SFプロトタイピングを通して何を得たいのか考えること 2. SFプロトタイピング作品は誰か1人で作りすぎないこと 3. SFプロトタイピングのプロジェクトにおいては、SFプロトタイプ作品そのものの完成よりも、議論しながら「チーム全体の妄想を爆発させる」ことの方が貴重であることを、参加メンバー全員が理解しておくこと
あと必要なこと: - 必要なのは純粋なおしゃべり - グループにはノリのいい人を1人いれておく。議論を進行してくれる人。 - 過程を楽しむこと。 - 重要なのはプロセスでありアウトプットではない。
ひどいアイデアに対する正しい反応は、思考を止めることではない。むしろ、良いアイデアを思いつくこと。何のアイデアもないよりは、悪いアイデアがあったほうがいいのは、悪いアイデアは少なくとも修正できるが、まったくアイデアがなければ何の希望もないからだ(ケビン・ラリー;テクニウム;303P)
目的を決める 抽象的な議論になるため目的をはっきりさせて常に確認することが重要。例:アイデアを出すことを目的にする、新たな戦略としてストーリー作りを目的とする、未来ビジョンに関する広報を目的とする、UXをリアルに考えることを目的とする、など
テーマを決める 近未来のスマートハウス、20年後のパワードウェア、アフターコロナの世界 など、
規模を決める 自由に妄想すべきことだが、
メンバーをアサインする
プロジェクト進行のための具体的な作業項目 →(省略)
物語の型「物語とは行って帰って来る物語である」 大塚英志「ストーリーメーカー」の中で語っている。 君の名は、千と千尋
伏線、どんでん返し
このあと、ケーススタディがいくつか紹介されている。テーマを挙げて、それに対応した物語が例示されている。非常に参考になるけど、ここは実際にやってみないと何とも言えないので、まずは一度やってみてから振り返ってみたいと思う。本書は購入したので来たらもう一度読んでみたいと思う。
ここで時間切れ。