memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

査読してみると論文のあるべき姿が見えてくる

論文を書くことをあまり重視してこなかったのですが、最近、慌てて活動しているところです。

少し前に以下を書いたのですが、その後、学会事務局から多数の投稿があったので君も査読してくれないかとの連絡がありました。

国際会議1本アクセプト〜🥹 - memorandums

締切間際なので時間はなかったのですが、忙しい時期こそやってみるのも悪くないかもと思い、10本ほど示された候補から2本を引き受けました。締切は今書いている論文と同じく11月30日です。。。やってしまった。もう少し後かと思ったのですが。

とりあえず1本目を半分くらいまで読みました。気になる部分にコメントを書き加えながらです。

読み始めて論点がよくわからないまま、とりあえず研究らしい手順は踏まれているし文献調査もされているようなんですが、ポイントがよくわからない。何を明らかにしたくて書いているのか、字面としては書かれているのですが、その調査をすることによって何を明らかにしたいのかが書かれていませんでした。

比較している文献を表にして整理されているのですが、それらの研究と書かれている研究との差異も明確ではありません。調査方法も再現性を考えて具体的に書かれていているのですが、肝心の手順が抜けているので、どうやってその情報を抽出しのかがわかりません。

そして、方法のところの段落で明らかに同じ文章がコピーされていて、これって校正したのかしら。。。と思えるような感じすらありました。

これを読みたい(発表を聞きたい)という聴衆はどれくらいいるのかしら。。。と正直思いました。初めて参加する学会なのでレベルもわかりません。どれくらいの基準で落とすべきなのかもわかっていません。

まだ後半の議論を読んでいないので面白いトピックがあればいいなと思うのですが、読んだ範囲まででいえば、個人的にはこの発表は聴きたくないレベルと思いました。

査読されたことは何度もあっても査読したことがないので何とも自信はありませんが、何もなしに査読を依頼されたわけですから、その辺は自分の価値観で判断してよい、ということなんだろうとは思っています。

どうなんでしょうね。ちょっと前に読んだ以下の本にも書かれていましたが、分野外の人が査読することも多いという事実があるかと思います。

そうなると、その分野特有の専門的な知識がなくても意義や流れがわかることがわかること、論理的な展開や正当性の証明の仕方がわかること、難しいことを言わなくても、他の分野であっても、その論文をそのまま読んで理解できるか、その論文を読みたいと思うか、読んで面白かったか、など観点での評価の総和で判断するしかないんだなと改めて思いました。

この知見は今書いている論文にも反映しようと思った次第です。