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日々の作業ログです。

高校普通教科「情報」新・試作教科書

2003年から高校教科に新設された教科「情報」があります。各高校でさまざまな取り組みがなされているようですし、そうではない高校もあるようです。情報処理学会のホームページに情報の教科書案が掲載されています。上記リンクをクリックしてみてください。


教科書はいきなりネットワークから始まるところが今っぽいと感じました。一昔前なら”コンピュータとは何ぞや”から始まりそうなものですが。以降は広く浅く、情報と社会のかかわり、情報システムの成り立ちなどを解説しています。

私も大学の授業で学生さんの興味を引こうと努力しているつもりですが、広く浅く触れることの有効性についてたびたび考えさせられることがあります。情報系・電子系の学校イベントでロボットがたびたび登場します。ロボット相撲やロボット対戦やロボット工作。玩具でも何種類も販売されています。いまどきの高校生はあまりにも慣れすぎてロボットが二足歩行することに何の感動も抱かないのではないでしょうか?飛躍しすぎかと思いますが、感動しないということは関わりたいという情動も生じないわけです。ロボットなどのハードウェア以上に学生にとって身近であるソフトウェアはさらに厳しい状況におかれていると思います。ブラウザやメールや3次元ゲームは使えて当たり前。それ以上深入りしたいとは思わない、そんな感じではないかと思います。

では、どうするのか?

私の中に確かにある答えは「ひとつのことに深く関わる経験を持つ」ということです。題材は何でもいいのです。例えばネットワークゲームを作る。最初はわけがわからないから真似をする。小さいものができたら少しずつ大きくしていく。その過程で色々な知識を吸収していく。

なぜそう思うか。背景は実務経験にあります。実務は面白い。実務に唯一の答えはありません。答えを探すために自分で勉強しながら必要な知識を吸収して答えを出していきます。これこそ本当の勉強なのだと実感するわけです。学習プロセスが制御できなければ学習到達目標も設定しにくいわけで、非常に扱いが難しいかもしれません。あまりにも実務的な開発環境では面食らうでしょうから、やはり導入時の環境はドリトルが最適のようにも思います。でも、良く目にするソフトウェアと距離があると興味がわかないかも知れません。

教科書の話題からずいぶん脱線しましたが、理工系離れが進んでいると言われる状況下で、どうやって情報系を志す技術者を育てるかは、今後の技術立国日本における大きな課題です。15回の講義のどこか1つでいいから感動してもらえるような内容にしたいと考えています。