memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

「消せるボールペン」30年の開発物語(小学館新書)

数年前までは定期的に書店をぶらついて面白そうな本を見つけてまとめ買いすることがあったのですが、今では買う本の9割以上はKindle本です。

その流れか書店に行くより電子書籍をざーっと見ることが多くなったような気がします。

巡回するのは、KindleKindle Unlimited、地元図書館の電子書籍サービス、あと大学図書館OverDriveというサービスです。

面白そうな本を借りて流し読みしてすぐに返す、を繰り返す感じです。

今日も夕食してテレビ(大河)を見終えてPCでOverDriveを見ていました(学生向けのサービスかな。。。と思って遠慮していたのですが、すぐに返すなら影響は少ないだろうと勝手に解釈して借りまして💦なんか申し訳ないので何日も借りるようなことはしていません)。

色々と面白い本を見つけたのですが、そこで見つけた本が以下でした。

僕も大好きでよく使うフリクションペンの開発記録です。

なんかおじさん世代にとってはNHKの「プロジェクトX」を思い起こす感じなんですが。。。いや最初の発見からペンとして発売されるまで30年もかかったこと、その出発点は仕事がないなら自分で作ろうとしたこと(→会社から命令された仕事ではなく自分たちの食い扶持を自分で確保しようとしたところからの始まりだったとか、当時26歳、部下が既に2人いたとか、いまどきブラックって言われるんでしょうね。。。)などなどが語られていました。

30年もずーっと成果を出さずによく会社も許してくれたら。。。と思ったらそうではなく、途中での成果物をしっかり商品に展開していき、その過程で得られた知見からペンになった。。。という感じです。

ざーっと流し読みしたので最初の1/3くらいを真面目に読んであとは飛ばし読みしたのですが。。。パイロットさんの企業風土もよいですし、技術者として夢を持て、という話は特に共感しました。

より具体的には以下の一文がぐっときますね。。。

「現状でも自由な研究に取り組むことは可能です。ただ、最近の開発者には夢がない。それが気になる。新卒採用の際に、開発希望の学生に『会社に入って何をしたい?』と聞くと、大学で研究してきたことの延長でこんなことをやりたい、あんなことをやりたいと夢を語るのだが、会社に入って数年経ってから『あのときの夢はどうした?』と聞くと、異口同音に『現実は厳しい・・・』というような返事が返ってくる。仕事に対して夢を持つことは大事で、とりわけ開発者には夢を持って欲しいと思っている(中筋)」

ワークライフバランスという言葉、大事でしょうけど、やっぱり夢って大事だな。。。と僕も最近思うことがあります。夢なんて綺麗なものでなくてよくて、欲望とか妄想とかそういうものでいいと思っているんですね。。。こういう世界を実現したい、特にITは現実世界の制約を受けにくい技術分野です。人間が考えたことがそのまま何かになります。

新鮮で今時の価値観を持ち合わせている若者を前にして、あーでもないこーでもないという妄想を語っているオジサン。。。自分でも気持ち悪いな。。。と思うことが多々あるんですが、なんか勿体無い、ただただそう思っています。

この方のように文字が変色したり消えたりした瞬間、そこまでの世界的発見のようなことはできていませんが、それでも自分なりに「わー俺すげー」と思うことが何度かありました。なんとなく試行錯誤を繰り返していて、だんだんと勘が働いてきて、こうすればこうなるかも?という想像の先に実際に動いたものをみて「ん〜〜〜〜(一人部屋でガッツポーズしている)」となるわけです。

これって技術者にしかできない体験だと思うんですね。ものづくりの場合。どんなに小さなことでもそういう体験をしてほしいな。。。と思うわけでした。

はい。