memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

答えは1つではない

RSSをチェックしていたら答えがないところで学ぶのがビジネスにおける教育という興味深い書き込みがありました。なるほどなぁ〜と思いながら読ませていただきました。ただ、重箱の隅を突っつくようで恐縮ですが、答えが無い、のではなく、答えが1つではない、ということだと思います。

[via itmedia]


3年生向けのソフトウェア分析・設計という科目でソフトウェア設計方法を教えています。といっても理論的なことではなく、非常に実践的な内容です。機能抽出→権限分析→データ設計→画面設計と進めます。UMLの書き方の応用ではなく、あくまで、顧客の要件をどう対応させて実現させるか、ということに焦点を絞って学んでもらっています。この講義では「設計には唯一の正解はない」と伝えてきました。教わる側としては上記のブログのように正解がないことに苛立ちを覚えるのかもしれませんが、教える側としても、唯一の正解があれば、教えることがいかにやさしいか、と思えるのです。

実際的には、ソフトウェア設計の正解は顧客とのやり取りの中で作り出すもの、だといえます。残念ながら私の力量では、大学生にその真意を伝えるまでには至っていません。演習ではなく、本当に顧客と対峙して、コミュニケーションの中で試行錯誤し、たくさん失敗をして体でわかってくるものだと思います。

教える側としては、そんなに汗をかかずに、シンプルかつスマートに教える方法論を考えたいのですが。。。もしその方法が編み出せれば、技術者の経験の多少を問わず、誰でも一定の品質のソフトウェアを設計・開発することができるでしょう。しかし、(私が知る限り)世界の何方も提案できていませんから、そう簡単なことではないことが想像できます。一生追いかけるに値するテーマだと考えています。