memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

試験問題の誤りとその対応について

今年の担当科目の1つのソフトウェア工学の問題として以下の問題を出しました。確か基本情報か何かの問題を少し改変したような問題だったような気がします。

本日、試験後の解説の日だったのですが、そこで学生さんから「条件が不足していて解答できないのでこの問題を出題するのはおかしい」と言われました。

いや。。。確かにそうです。

実は以前は自分の図を使っていたのですが図だけ差し替えて本文を書き換えるのを忘れていたのでした。

というか前の問題もWebサーバとDBサーバが書かれているだけでその条件までは書いてなかったなぁ。。。という感じなので自分では当然と思っている分、問題文から漏れてしまったということだと思います。反省です。

ただ、この問題に近い問題を過去2年出題してきましたが、これまでは誰からも指摘がありませんでした。調べると1/3くらいの学生が正解していました。

今年はどうだったか。。。正解は1名のみでした。

その学生さんは解答欄に前提条件が不足していることを書きつつ自分で条件をつけることで解答していました。素晴らしい。。。

自分の失敗を棚に上げてどうこう書くのもなんだかな。。。とは思うのですが、公式なテストですら出題ミスはありますし(共通テストとかでもありますし)、問題文として不完全だと気づいたときに質問して欲しかったですが。。。

条件不足かどうかわからないとき、自分には解答する知識があるとわかっていて、でも、問題文の意図が読み取れないときに出題者が試験監督としてその場にいるわけですから質問できたはずです。

この経験をしたときにふと思ったんです。何かに似ているなぁ。。。って。

AIって賢いじゃないですか。瞬時に長文を解析して反応する。人間技ではありません。一方で、プロンプトを正しく入れないと欲する答えは出てきません。やりとりを通して必要な回答が得られるまで条件を加えたり修正していきます。文脈を無視してその対話だけで答えを得るためには漏れなくプロンプトにして伝える必要があります。なんかそれと似ているなと思いました。

これまでの学生はなぜ質問してこなかったのか?1/3くらいの学生が正解できたのか?なぜ今年になって正答率が落ち込んだのか?問題文が不明なときに質問しないのか?よくわからないです。

今年と過去で条件が同じではないので単純な比較はできないかも知れませんが、これから社会に出る学生さんの性質としてちょっと知ってもらったらいいかなと思った次第です。

来年はこの問題には気をつけます(もちろん出題はしません)。

以上、個人的な反省でした。

あ、でも、答案は返却しませんがその変わりに解説し採点基準を示すことでこういう気付きが生まれるわけです。やはりこれは重要だなと思いました。教員一人でやっている授業だと気づきようがないですからね。

今、他大学ではどうしているかわかりませんが、試験後の解説やふりかえりは求められるものと思います。昔は試験が終わったらそれでおしまいだったと思いますので。。。わかるのは点数だけでした。その時代と比べると良くなっていると言えるでしょうね。