看護学校の1年生を対象としたパソコンの基本科目を担当している。
大学では3年以降の科目を担当するので色々な意味で新鮮だし気分転換になって楽しく仕事させてもらっている。
昨年からiPadを利用してのMS365の演習に切り替えた。
とはいえパソコン操作も必要ということで1コマだけパソコン演習を入れている。
昨日がその回だった。
iPadはそれなりに使用できるし、それこそフリック入力は圧倒的に彼ら彼女らの方が早い。
パソコン演習で何が問題になるか?ちょっと書いておきたい。
デスクトップとかアイコンとかはiPad等にもあるので全く問題ないし、日本語変換も入力方式に差があっても概念は習得済みなのでなんら問題はない。
まず、思いつくのが2点。ウィンドウ操作とファイルシステムかと。
ファイルシステムもiPadのシステムを理解して使えているのかというとそんなことはなくて操作して手順で理解している人が多いと思う。全然問題ないと思う。ドライブがどうなっていようがファイルとフォルダの違いを理解して使えれば十分。
パロアルト研究所のおかげなんだと思う。人類誰もが絵を見て理解できるような仕掛けを作ってくれたのだから。ありがとう、先人達。
そしてウィンドウ。あ、これもパロアルトのおかげ。
iPadもマルチタスク機能が搭載されるようになったので ウィンドウ操作もどき は体験しているのだが、それでもパソコンのウィンドウ操作とは違う。。。これがなかなか難しい。
タイトルバーじゃないとウィンドウがドラッグできないことがわかりにくかったり。
一番の問題は大きいウィンドウがアクティブになったときに他のウィンドウが後ろに隠れてしまい「あ、センセー消えた」という声が出ること☺️ これはiPadでは起きないからね。。。
パロアルトでは現実世界の体験をデジタルの世界に持ち込むときにそれらの連続性を意識したのだと思う。あえて。
机の上にノートや教科書があってそれらを触って開く。微妙な重なりとかもあえて表現することで現実世界の経験がデジタル世界の理解に活かせるように考えたのだろう。
でも、微妙な重なりはもしかすると今の世代には必要がないものなのかもしれない。そう考えてiOSのチームはiPadをエンジニアリングしたのではないかとも思う。ウィンドウっていらないんじゃね?と。
とはいえ、そんなiPadに慣れた学生もiPadでのExcel操作にはかなりいらついた様子だった。。。ハードウェアキーボードがあってもだ。Wordやパワポはそれほどでもない。でも、Excelは厳しい。
その難しさの本質はなんなんだろうか?
たぶん、ExcelがのUIがGUIをベースとしない世界で発明されたからなんだろうと思う。
表計算といえばVisiCalc。1世代上なので自分は使ったことはないがこの画面をみれば確かにCUIな時代だとわかる。
カーソルキーを使って1文字単位の入力や編集を行う必要がある。
ローレゾな世界では全然それでよかったし使いやすかった。
しかし、今、タッチによって直接操作できるハイレゾな環境においては、その1文字をターゲットとした操作が難しさの原因になっているのではないかと思う。
セルを選択するのはいいとしても、範囲を選択するのはドラッグ操作が必要になる。
我々、開発に慣れている人間にとってはカーソルキーやシフトキーなどを組み合わせた操作は日常的なので違和感がない。でも、彼ら彼女らは違う。
いや、これは人のせいではなく、今、このハイレゾな環境になってもExcelのUIをあのままにしているということがもしかするとミスマッチなのかもしれない。
これに気づいている人はいるのだろうか?もしいないとしたらちょっと嬉しい。
じゃ、どうするんだはわからない。
表計算ではない何かがあってもいいのかもしれない。
とりあえずこの辺で。また、いつか考えよう。