2ヶ月くらい前に投稿したある論文の査読コメントが数日前に来て「これ再実験しなきゃダメなやつじゃん」とかもありました。でも、よーく読んでみると査読者が誤解していると思われるところもありました。逆にいうとそういう自分の思いが論文というテキストではうまく伝えられていない(書いてはあるけど読まれてない)ということです。
自分がその査読者だったら感じるであろう論理的・感情的なリアクションを想像しながら、うまく返すこと、もちろん論文として質を上げるという共同作業であることは理解しつつ、修正案を考えています。
若い頃ならすぐにガクッと来たりイラッとしたり単純な反応が先に来てましたが、年を取るとそういう反応も面白いと思えるし、どうやって攻めたら(守ったら)うまくいくかな、と考えることを楽しめたりもします。年を取るのも悪くないですね、ほんと。いかに若い頃が未熟だったかに気付かされます(といっても成熟したといいたいわけではありませんので💦)。
で、こういうちょっと大変なタスクの着手し始めってやはり億劫なんですね。。。やらなければならない仕事だし期限も決められているし(1ヶ月以内)。
こういうときに頼りになるのはAIだなと思います。
代表的なAIに、論文PDFを添付して、添付の論文を投稿したら、以下のような査読コメントをもらいました。査読コメント1つずつに対して、具体的な対応方法の案を教えてもらえますか。 という感じで投げてみますと、瞬時に提案してくれるんですね。これが。大したものです。
さらに 再実験ができない環境ですが、その場合の適切な対応策があれば教えて下さい などとフォローするとさらに提案してくれます。
もちろん、そのまま使えるものもあればそうではないものもあります。というか正直、全然使えない(質が悪いとか提案が酷いとかではない)のですが、それでも、自分が考えるときの刺激になるんです。こうきたか。。。なるほど。でもなぁ、ここはこうじゃなくてこう答えた方が(自分が査読者なら)納得する可能性が高いかもなぁとか 考え始められる んです。
この最後の 考え始めるキッカケをまず作ってくれるという意味でAIの使用は意義あるものだ と感じます。感じるので面倒だなと思うことはまずAIに投げてみるをやっているわけです。
壁打ちって言われますよね。何か新たに生み出すような仕事をされている方の多くが既に様々な試行をされていると思います。私も同じようにやっていますよ、ということでした。
うちの大学にはデータリテラシー入門というオンデマンド科目がありまして人気を集めているようです。もしかすると、入学初年度こそAIリテラシー入門みたいな科目を受けさせるべきなのかな。。。と思ったりします。少なくとも大学院の初年度とかにこういう利用が研究には有効だよ、ということを個別に試行錯誤することなく知る機会を提供するってありじゃないかなぁと思うんですね。
ただ、AIサービスが毎週のようにアップデートされる環境ですので、教育コンテンツを用意する側は大変だろうなぁ。。。とは思います。それだけを仕事にすればいいでしょうけどね。。。
ということで、まだ世の中が試行錯誤している段階ですから、個人でまず使ってみること、使ってみていい体験をすること、それが渦中の我々にできることかなと思います。
さて、今日もAIにやる気をもらおうとしますかね。でわ。
■ちょい追記
AIの使い方の試行錯誤の仕方や学び方を早く身につけた方がAIのパワーを成果物に反映できて他者(他社)と差別化できるポイントだろうなと改めて思います。
もし、複数のAIを束ねるようなワンストップAI**が出てきて、AI利用がコモディティかしてしまったら差別化も何もないですからね。というかChatGPTが画像生成機能をアップデートしたところで画像生成系のサービスを個別に利用しなくてもよくなりました、もう差別化度合いが減った感じもしますよね。現状、ChatGPTが様々なサービスの入口になっているという(なっていこうとしている)ということでしょうか。
でも、まだまだ、AI利用=チートだ、まだまだそういう感覚がありますね。論文執筆にAIを利用したら明記しろとか、AIは著者にはなれないなど国際ジャーナル系の投稿規定に明記されていますし。
でも、この時代の変化、面白いですね。。。わちゃわちゃ感。もう既に何周も遅れている感じはしますが。。。
あとで振り返ったときにどう感じるのでしょう。ChatGPTなんて使わない時代が来るのかもなぁとも思います。数日前にリリースされた(日本語対応の)Apple IntelligenceのようにローカルLLMが普通に裏で動作するようになるのでしょう。AIの存在すら気が付かない(例えば、表計算でソートしようとメニューを選択したら、実は裏でその機能が自動生成・自動検証されてデプロイされるとか)形になっていくんじゃないかなぁ。。。とか。
アプリケーションやサービスは1つの基盤を開発して運用するのがこれまでの常識でしたが、もしかするとそういう個別の要望を取り入れて個別にデプロイされて運用するプロダクトライン開発の自動化と個別化の可能性も考えられます。夢のような話ですが開発と検証がもしAIによって自動化されるようになるとありえない話ではないと想像します。そうなるとカスタマイズを主としたような仕事はもういらなくなるかもしれません。
考えるだけでワクワクします。。。どう教えるかとかどうやってお金を稼いでいくかとか現実的な話はおいておいて💦