memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

授業改善

パワポの資料を投影して説明したり演習したりしていく感じが講義だ、と思ってきました。でも、何といいますか。。。やっている方は面白くないんですね。。。聞いている方もたぶん面白くない。1つ1つゆっくりじっくり解説していくこのスピードの遅さ、今どきじゃないな。。。と思ってきました。以下、今期の授業改善の試みです。メモしておきたいと思います。半年後に振り返っても当初何を考え何を狙っていたかなんて忘れていますからね。

改善1:パワポスライド → Markdown(HTML)

そこで、思いつきで、パワポの資料をすべてMarkdownにして1講義あたり1Webページにするようにしました。そして、そのページに書かれていることをポイントと流れを意識して説明するようにしています。ちゃんと理解したい人は自分で読めばいいでしょうし。そうでない人は資料を見ながら話を聞いてくれたら流れがわかるはずです。あくまで教員から見た期待に過ぎませんが。

講義ページにはパスワードをかけていますので一部だけ例を示します。例えば、以下。ソフトウェア工学の授業です。3年前期の授業です。HTMLなのでスマホでも見れます。さらに、detailsタグを使うことで折りたたむこともできるため視覚的に情報量を抑えつつ、必要なタイミングで展開して確認する(答え合わせ的にも使える)わけです。これいいなと個人的に思っています。

一番いいなと思うのは(というかパワポがいやだった最大の理由が)コードですね。コードをスライドに入れるとPDF化するとゴミがつきます。さらに1枚のスライドに無理やり入れようとして見にくくなります。Webページですので、そんな制限は気にせずどんどん書いていけます。しかもコピペしやすい。

改善2:評価割合の変更

会社員の方に聞きます。60点で合格ってどう思います?自分が後輩や部下に伝えたことの6割しか理解していなくて仕事になりますか?自分が学生だったことも忘れてそんなことをふと思ったことがありました。もちろん、そんなこと学生には言いませんが(言っても感覚がわからないでしょうし)。

もっとやるせない?のは100点以上がつけられないことです。100点は上限なので同じ100点でも300点くらい人も100点になってしまいます。会社の予算が決まっているので頑張りに対して公平に評価できないところに似ているといえば似ていますが(結局、相対評価になる)。世の中は資源制約がありますからしかたがないとしても、せめて学校くらいそういう現実感から離れて、物凄く頑張った人を評価できるような仕組みを科目単位でもあったらいいな。。。と思うわけです。

また、脱線しました💦

で、今年の授業改善の話に戻します。

これまでは「筆記試験7割、課題3割」で評価してきました。プログラミング科目も実技試験を課してきました。学生から厄介な先生と思われてもしかたがないと思ってやってきました。課題出せば合格、学校あるあるかもしれませんが、せっかくなのだから少しでも身につけた状態で卒業して欲しい、そのためには日々の授業を聞いて課題を理解して欲しい、という願いからです。うざ・・・かなぁ。

まぁ、これもどれくらい役立ったと思っているのかわかりません。実際に役立ったという話を聞いたこともありませんし。私自身、学校で受動的に習ったことで覚えていることを自覚できることがほとんどありません(それでも数物やレーザーや発電とか回路とか)知識として残っていることはもちろんありますが、何かができるようになるための訓練はほぼゼロだったと思います。残っているのは何かといえば、自分でやったこと、です。

そう考えると、動機が様々な学生全員に押し付けるのも無理があるのかな。。。と思い始めました。それより、もっと自分で何かを考えることに時間を使えるようにした方がいいなと思いました。

前置きが長くなりましたが、評価を「課題7割、筆記(実技)試験3割」にしてみました。課題もできるだけ授業時間内にレポートを書いて出してもらう感じです。例えば、こんな感じです。

講義の内容を何となく流れで聞いて、そういう考え方があるんだなという知識をもとに、自分で問題に対する考えをまとめる、という感じです。自分で考えまとめることで資料にある単なるキーワードと現実との接点ができるでしょうしイメージしてもらえるはずという期待があります。さらにどうしてそう考えるのかを(それこをこのブログのように)言語化していくことで自分の考えをまとめるトレーニングにもなると考えました。

こうして毎回の講義で課題を出せば70点、あと話したことについてのペーパーテストを30点で評価します。講義系についてはこんな感じ。プログラミング系の科目についても、ほぼ同様で、毎週の課題で70点、実技試験で30点です。課題を出して60点以上があることがわかれば試験を受けない人もいるかもしれません。どうでしょう?

長くなりました。。。半年後、どういう結果が出るのか楽しみです。ペーパーテストはどうでしょう?学生の評価はどうでしょう?クレームは?

学生から見ればたくさんある授業の1つに過ぎません。教員が考えているほど重要ではない、というのが実態だろうとは思いますが、だから何も改善しない、というのは違うな、とは今のところ思っています。

退官された先生がよく言っていました。石も磨けば光る、でも磨きすぎると何も無くなる、と。達観した考えをお持ちの数学の先生でしたが、そういう境地になれば、何かを鍛えようという考えは消えて無くなるのかもしれません。そうなったらこの仕事しなくていいな。。。と思ったりしていますが。どうでしょう。