memorandums

日々のメモです。

大学での実学教育

昨日、来年の卒研生と企業に提出する履歴書について打ち合わせました。彼が何を企業にアピールすればいいか、そこがポイントでした。サークルはしていない。趣味といえばITかガジェットかゲーム。でも開発力はあります。燃えるようなモチベーションはありませんが。。。与えられた目標は責任をもって遂行する力をもっています。力を立証するためにプロジェクト型授業でiPhoneアプリを自作してもらいました。それなりのものが完成しました。さて、そんな彼をどうアピールすれば企業の方は気に入ってくれるでしょう?これなら絶対大丈夫!というものは残念ながらありませんでした。相手があってのことですから。。。難しいです。


就職難の今、大学にも社会のニーズを反映した教育をするようにとの声が聞こえます。もちろん大学は社会のニーズを全く無視しているわけではなく、10年後50年後を想定した研究・開発をしているため、見方によっては「社会のニーズを無視している」と評価を受けるのだとは思います。


私は研究職ではない、ごく一般的なサラリーマン技術者としての就業経験を10年しました。ひとつの業界ですが上から下までそれなりに幅広く見てきたと感じています。大学の在職年数もそれに近づきつつあります。地方私大の底辺教員として日々もがいています。企業人の考え方も大学人の考え方も体験的に理解してきたつもりです。


「使える技術者を育成するにはどう教育すればいいか」試行錯誤の連続です。その一片は「学生による実ソフトウェア開発における納期遅延要因に関する分析」という論文に結実しました。ここまで辿り着くのに4、5年もかかりました。頭の良い研究者は決して選ばないテーマだと思います。ただ、かなり荒っぽいやり方ではありますが、自分なりに今の社会に通用する人材を育成する方法の1つと考え実践したプロジェクトでした。参加したメンバーは本学科ではかなりいい企業に入社しましたので、プロジェクトの成果物?である人材がそれなりに評価していただいたと感じています。ただ。。。リスクが大きいこと、学生の活動時期にフィットした案件がないこと、などの理由から続編はまだ出ていない。。。という少し残念な状況です。学内にソフトウェア開発センターのようなものを設立して大学にいながらにして、基礎技術、マネジメント、社会経験、就業意識などを総合して身につけ、もちろん収入にもなるような仕組みを作りたいとも考えていました。実際の開発経験があれば授業に対してもっと積極的になるでしょうし理解度もかなり向上するはずです。きっと相乗効果があるはずです。夢ではありますが。もしできたら世の中に少しは役立てると考えていました。この不況では学生がいくら単価が安いといっても仕事自体が少ないので実現は難しい状況だと思います。


このプロジェクトが終了してもう4年くらい経ちました。その間も興味を持たせるためにゲームデバイスを使ったり下手な動画を公開したりTwitterしたりといろいろと試行錯誤は続けていますが、これという手だては実現できていません。ちなみに来月のPM学会のシンポジウムで発表する「初期に小プロジェクト体験を配置したプロジェクトマネジメント講義の試行」はある意味、そんな実験的授業の1つでもあります。まぁ、これもフツウはやらないような授業だったと思います。でも現場の技術者の方であれば、この授業がどういう意味を持つのか理解してくださるのではないかと思う(思いたい)のです。最初は発表するつもりはありませんでしたが、それを問いたいと思い急遽、論文を作って発表することにしました。


まだまだ道半ばです。今度、企業の方が来られるので、最新の設計論やテスト技術などではなく、前職の設計・開発方法論(枯れた技術)を学内で実践できるような教科書と工場模型を作ってみたいという思いも自分の中に沸き上がっています。前職を退職して10年近くなりますが、やはり感じるのは「ソフトウェア開発は面白い!」です。Webやスマートフォンやゲームデバイスももちろん面白いですが、私はFAが面白いと思います。日本では衰退気味ではありますが、世界に目を向ければまだまだ伸びる要素はあると思います。


やっぱり長くなっちゃいましたね。。。とりあえず今の気持ちをログしておきたいと思いました。考えたことを書けば実行できる。そういうことです。