memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

高校訪問(岡山北部)にいってきました

今年もまた担当になり7月1〜2日の間に21校訪問させていただきました。お忙しい中、対応してくださった先生方、ありがとうございました。わずか2日間ではありますが、やはり、高校の先生方のお話を伺うと考えさせられることがたくさんあります。特に高校生の進路選択の実情です。

3年生の今時期には定期考査があり評価点が確定します。その情報をもとに就職か進学かを決め、進学する場合、分野、地域、専門学校、大学などを決めていくようです。これは大変な作業ですが自分の将来を具体的に考える大切な機会です。

で、高校生が進路を検討する情報源といえば。。。先生、保護者、知人・友人・親戚などの情報。あとは専門学校や大学が配布する紙資料やホームページ、あたりが主になるようです。就職する場合は企業の求人票または先生の勧めが情報源となるでしょう。

これらの情報をもとに、就職状況、進学の入試形態の多様化、経済状況の悪化、進学後の就職先など複雑な条件を踏まえて進路を絞っていきます。早期からやりたいことが決まっていれば悩むことも少ないでしょうけど、そういう子は少ないようです。ただ、やはり進路を決めるのは高校生本人である場合が多いようですから、その子が「これにする!」と言わないと進まないようです。

私は情報系の教員ですし、元ソフトウェア技術者でもありましたから、やはり今後もこの業界が盛り上がって欲しいですし、そういう人材を少しでも多く世の中に送り出したいと考えています。そのためには、この高校生(あるいはもっと前)から見た業界のイメージを豊かにしていく必要性を強く感じます。現状、高大連携や出前講義など努力している一方で、この実情を耳にすると必ずしもうまくいっているとは思えないと実感します。岡山の山間を運転しながら。。。どうすればそのあたりの情報を発信して高校生に伝えられるのかな。。。と考えていました。

理数系ばなれが進んでいるとよく言われます。訪問した高校でも理系クラスは全体の1割程度(多くても2、3割)。この半分は医療系に進むようです。もうこの時点で技術者を指向する学生はかなり少なってしまいます。少子化がさらに追い打ちをかけます。不況のため比較的求人が多い工学部に進学するように高校の先生も指導してくださる例もあるようですが、高校生がそもそも選択しないようなのです。

では、逆に、進学希望者を集めている業界がなぜ成功しているか考えますと。。。高校生が学習内容や仕事の内容についてよく知っている。。。とは思えません。なぜ、人気を集めることができるのか?一つ思いつくのは安定性。少子高齢化社会の日本。介護・医療はなくなることはありません。医者はもとより看護士・検査技師・医療事務などの仕事はなくなることはないでしょう。そんな情報が進路を選択する上での安心感につながるのではないかと想像します。

では、コンピュータや情報はどうか?将来、自分の腕一本でビッグになるっ!ビルゲイツGoogleの創業者のようになるんだ!という人は放っておいてもいいでしょう。そうではない人が情報系を進路選択する上での印象はどうでしょう?そこを改善していかないと明るい未来はなさそう。。。そもそもそんな大きな話しではなく、もっと学生に身近な考え方として、小中学校での数学や理科が得意であればこの業界を選択する人が増えるのかもしれません。無論、小中学校のカリキュラムが大きく変わったわけではありませんので、そこでの教育の問題ではなく、学生の性質の変化に起因するものと思います。具体的なデータがあるわけではありませんが、自分の子供を見ていて実感するのですが、難しい計算や概念の獲得などを我慢して考えて乗り越えるまで耐える。。。そういうことが苦手なようです。いや、昔も苦手だったのかもしれません。。。でも数学や理科をやらないという選択肢は無かったというか思いつかなかったようにも思います。こう考えると元も子もありませんが、情報の面白さに触れる機会を地道に増やしていくくらいしか思いつきません。

だらだら書いてしまいましたが、この問題は社会や地域や経済などを含めた問題だと思いますので、とりあえず今回の出張で感じた問題意識の記録にとどめておきたいと思います。どげんかせんと。。。