memorandums

日々の作業ログです。

ソフトウェア開発データ白書2006


ここ2、3日、卒研指導や学内業務のかたわら久しぶりに(情けない)、情報処理学会九州支部のシンポジウムに投稿する原稿を作成しています。論文の論述を裏付けるための資料として表記の書籍をあわてて昨日購入しました。この本は国がソフトウェア開発を営んでいる企業1400社を対象として実態を調査したデータをまとめたものです*1。この本を眺めていると色々と発見があります。

私は3年前までソフトウェア開発現場にいましたが、開発環境は全然変わっていないようです。アジャイルだ、XPだ、Webサービスだ、といっても、業務システムの多くはまだまだ10年前の状況と大差ありません。一例を本からご紹介しましょう。

  • 開発プラットフォームはWidnowsNT/2000/XPが5割、Unix系が3割
  • Web技術を利用していないという企業が過半数を占めている。
    • なんてこった!
  • 開発言語はCOBOLが2割強でもっとも多い。次いでVBJava、Cがそれぞれ18%くらい。
  • DBMSOracleがあいかわらずダントツの1番。MySQL,PostgresSQLは1%に満たない。
    • えぇーー!?OSS使おうよぉ〜。
  • 開発ライフサイクルモデルは96.6%がウォーターフォールモデル。
    • うんうん、そうだろうね。これは変わらないだろう。手法がどうのこうのという以前にフェーズを切って進める仕事の仕方が染み付いているし、契約ごと(商習慣)がこれで済んできたから。
  • 開発方法論は37%が構造化分析設計、オブジェクト指向分析設計は10%、データ中心アプローチは5%、その他が33%。
    • その他が多いよねぇ、わかるなぁ。リスクを覚悟してまで新しい技術に手を出すメリットがあればなぁ。
  • 開発フレームワークの利用は、なんと!78%が利用なし!!!
    • ええーー!?毎回いちから作ってるのかぁ!?

元SE兼PM兼プログラマとしては理解できるのですが、こういう立場になって考えると、あまりにも新しい技術が活用されていない状況が見えてきます。もちろん、この状況には働く人やリスクや文化などの問題が複雑に絡み合っていると思いますが、あまりにも保守的だと言わざるを得ません。海外の現場がどういう状況にあるか調べないとわかりませんが、先日のNHKのインド特集を見ていると日本の将来が非常に暗く思えてきます。さて、どうしたものでしょう。調査対象企業は日本でも有名な企業ばかりだけどなぁ。雑誌などで最新技術をにぎわしていのはやはり新興企業でありベンチャー企業なのかなぁ?

*1:実はこの本いい値段するのですが1年するとPDFでIPAサイト内のSECのページでタダでダウンロードできるようになります。2005年版が公開されています。興味のある方はそちらをどうぞ。ただしユーザ登録(無料)が必要ですよ。