memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

「10年は泥のように働け」について

IPA主催のイベントでIT業界のトップの方と大学生の討論会があったというエントリー。ネットでいろいろと議論が飛び交っています。実際に働いた経験があれば「泥のように働く」意味やトップの方が言わんとすることが理解できます。ただ、全く経験がない状態でこれを言われてしまうと引くでしょうね。。。学生なら。特に、能力の高い学生であれば選択の自由度が高いでしょうから。


この話題に関連して。


私も企業から大学に赴任した当初、「学生はいずれは企業に入るのだから、企業流の考え方を実例を入れながら教えていこう」と思って行動しました。学生ができる設計は知れていますから、まずはイメージしたものが作れるプログラム技術を身につけさせようと思いました。そこでトイプログラムではなく実プログラムに近い長めのプログラムを扱ってもらいました。また、わざと欠陥を混入したプログラムを延々とデバッグさせたりもしました。いくらか効果があったと思いますが、ただ、いくら頑張って説明しても「ソフトウェア開発」の雰囲気を伝えることはできませんでした。


そこで、私は学生に実ソフトウェア開発をやらせたい、と思うようになりました。実際にやってみるとプロジェクトマネジメントは大変でしたが収穫はたくさんありました。何より学生が身をもって「ソフトウェア開発」というものを身近に感じることができるようになったと思います。先日、PM学会九州支部大会で講演させて頂いた資料があります。ご興味があればこちらへどうぞ。


大学に身を置いてからは、IT業界を目指す学生が減少し、技術立国日本のイメージが消えてしまうのではないかとさえ危惧しています。理工系大学の経営の問題だけではなく、業界全体あるいは技術立国を主張する国のバックアップを得て、現状改善の努力をしていく必要があると考えています。


今春、新入生向けの導入講義でIT業界が新3Kと言われることについて話しました。もちろん「K」の話はしたとして、それは確かに事実かもしれないけど、そんなことは気にならないくらい「ソフトウェア開発は楽しいんだ〜〜〜〜」ということを伝えたつもりです。楽しくなかったら*1GooglemixiYoutubeやニコ動が生まれるわけはないはずです。また、天才*2じゃなくたって、ソフトの作り方を少し知っていれば、wiiハック、processing、gainer、NDSipod touch sdk。。。手軽で簡単に遊べる材料があるんだよ〜ということを話しました。「ソフトウェア開発ってこんなに楽しいんだぜ、一緒にやろうよ」というメッセージが学生に伝わり、IT技術者を目指す若者が増えるような底上げ的な施策が欲しいところです。教育機関、企業、国が一体となって進めていく必要があるでしょうね。


楽しいですよぉ〜。本当。

*1:儲からないなら

*2:未踏プロジェクトのように