memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

学会初日

今日は朝から熊大に移動して学会発表してきました。

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タイトルは「Ruby on RailsによるWebアプリ開発の授業実践」でした。

これまで3年生のソフトウェア開発の講義・演習でJavaEEを使用してきました。10年くらいになります。

3年前にカリキュラム改定を行った影響で、1年生の導入のプログラミング言語JavaからRubyに変えたので、あわせて3年生の授業もRailsに変えてみました、という内容でした。

研究というか。。。FD(授業改善)的な内容です。

なので、RQ(リサーチ・クエスチョン)もありません。

論文っぽく(!?)定量的な評価も一応織り交ぜてみましたが、別にそこが言いたいわけではありませんでした。

こういう論文の体裁だけを整えようとするのは私の悪い癖だと思います。。。反省です。

実は、この時期に発表するつもりはありませんでしたが、このシンポジウムの締切が2週間くらい延長になったというメールがあり、せっかくだから1年間のトライを振り返っておこうかな。。。と思い書き始めました。

Railsといえば、現場では世の中に広く普及していて、もう「枯れた」技術とも言えるんじゃないかと思います。ですよね?今ならnodeがありJSの様々なフレームワークがあり、クラウドをベースとするのはもちろんサーバーレスとか言われている時代です。クライアントはブラウザだけではなくスマートフォンやIoTの各種デバイスとデータをやりとりする役目も益々大きくなっていると思います。サーバーサイドのアプリケーションを作ることの意義はここ5年、10年で大きく変わってきているんじゃないかな。。と思います。

現場ではありませんが、そういう情報を見聞きしてきて、いまさらRailsか。。。と私自身も感じていましたし、たぶん聴講されている先生方もそうだったんじゃないかな。。。と想像しました。

しかし、Railsは大学院での採用事例はあちこちにあるのですが、学部のシラバスRailsを採用している例は数件くらいしか探せませんでした。

うーん。これは発表してもいいのかもな。。。と。思ったわけです。参考になるかな?と。

やはり論文を書くのは思考を整理する有効な手段だな。。。と思います。自分でなんとなく頭にあるモヤモヤを言葉にして整理することで、自分自身が得るものがありました。

こういう基本的な演習の講義や演習でフレームワークを使うことの功罪はあると思います。

JavaでもStructsやSpringやPlayなど様々なフレームワークがありますし、卒業生からStrutsLog4Jなどの使い方を教えてほしかった、という意見も聞いたことはありました。でも。。。フレームワークを使う前にやることがあるだろう。。。と思ってきたわけです。この10年くらいずーっと躊躇してきました。

で、結果はどうだったのか?以下の発表スライドに集約しています。

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HTMLやRubyなどを組み合わせて、手作り感満載のWebアプリを作ることはいくらでもできるんですが。。。やはり我々がよく使っているようなWebアプリを作るとなると。。。それはそれは大変です。がんばっても素朴なものしか作れない、がんばる前に行き倒れになる学生も多かったり。。。たくさん見てきました。

そう考えると、また、今年度の授業経験から、最初だからこそ、労力を少なくして、できた!感、達成感、面白さを味わえるような教材にしていった方が幸せなのかな。。。と思うようになりました。

以下の発表スライドの一部なのですが(すいません、写真の引用元を入れていません、支障があれば教えてください、削除します)、以下の図でその感覚を表現してみました。

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これまでの教育のスタイルって以下の順だったと思います。

まず、①で個々の技術要素(プログラミングとかファイルとかモジュールとかデータベースとか)を教えます。

そして、得た知識やスキルを組み合わせて、要求仕様にあった形にします。これが②です。がんばって作っても。。。ちょっと玩具感がありますね。。。

で、応用としてさらに進んだことを学びたい人は③のように、手早く綺麗なアプリを作る方法を学びます。

でも、もしかするとこれは勘違いで、③を先に学んで「おーすげーこんなに簡単にできるのか〜面白いからもってやってみよーかなぁー」と思うのではないかと思います。

もちろん、③のブロックだけでは作れないものもあるでしょうから、そのときに原点に返って基礎的なことを組み合わせた勉強をしてもいいいのかなぁ。。。と、という感じです。

積み上げ型の教育って。。。難しいですよね。

積み上げる前に興味をなくしてしまって躓いたら、もう、その先は地獄。。。何でもそうですよね?

なら、最初だからこそ、簡単に実際の何かを学んでみて、そのあと基本や原則を学ぶ。。。という流れは今の時代にあっているのかな。。。と思ったりしています。

興味のある方は下記のリンクから論文がダウンロードできますのでご覧いただければと思います。

火の国情報シンポジウム2019

さあ、今週は学会週間です。あと2つ学会に参加します。余力があればここにメモりたいと思います。

せっかく熊本まで来たので熊本城に立ち寄りました。この映像のように周囲の城壁はまだ崩れたままでしたが、天守閣はかなり復旧が進んでいました。がんばれ熊本。僅かですが募金してきました。

https://youtu.be/0Jl-U_aEXjM