memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

論文を書くのは難しい?

担当学生(M2)が明日締め切りの論文が書けないというのでゼミ室で指導しました。論文といえばIMRADと言われます。論文は形式が決まっているので実のところ文章が書けないのではなく研究自体を理解していない(理解しようとしていない)ことが原因の場合が多いです。もちろん文章が書けない学生もたまにいます。それでも学部生で立派な論文を書いてくる学生もいることは事実です。この違いはどこから来るのでしょう?


PPTを使ったプレゼンやインターネットを利用した調査報告書の作成など進んだ取り組みが中等教育でなされていると聞きます。読者や聴衆の理解の道筋を意識して、自分の考えを順序立てて説明する訓練は、理系/文系に関わらず必須の技術だと思いますが。。。訓練する機会が与えられていないのか?機会はあるけど不十分なのか?習得できていない学生のせいないのか?


漏れなく無駄なく本質を見据えて順序立てて文章やプレゼン資料を組み立てる技術は論文を書かなくてもどの業種に就職しても必要な技術だと思います。一朝一夕に身に付く技術ではないかもしれません。読書感想文もいいですが。。。ぜひ自分が発信したい内容を順序立てて説明する訓練を小さいころから積んで欲しいと願います。実態はよく知りませんが、欧米では論理的な文書を書くためにテクニカルライティングを学ぶ機会があるらしいです。効果のほどはわかりませんが、対応する科目を配置してもいいのでは?


本を読んで改善できるかわかりませんが、テクニカルライティング、ロジカルシンキングなどのキーワードの入った本は一度手に取った方がいいですね。読んだことがあるオススメの本は以下です。薄いしわかりやすい。

倉島さんの本は好きですね。。。文体がやさしくてすっきりしていて読みやすい。文章の並べ方のテクニックは本で理解できると思います。ただ、実践するのは難しいと思います。個人によってスタイルがあると思いますし。一つ有効な方法として、自分の論文を読み進めてくれている読者の頭の中、聴衆の頭の中が想像する、という手があります。多少経験が必要だと思いますが、他人の目で自分の書いた文章を読み、文章が漏れなく無駄なく既知の情報から未知の情報にリンクしているか読み進めてみましょう。こうしたチェックがじっくりじっくりできるようになったら自分のスタイルは確立したと言えると思います。自分の情報発信のスタイルが確立すれば情報発信はかなり楽になると思います。もちろんゴールはありませんので死ぬまで日々精進です。