9月に地元で開催される学会に投稿するためのアブストを学生君に書いてもらいました。今週で3週目。タイトルとアブストだけなのに。。。ダメだしが続く続く。。。締切が今週末なので仕方がなく一緒に考えることに。
さて、どうやって教えればいいのか。。。少々途方に暮れることに。。。もう少し自分で考えてくれ。。。
とりあえずやってみたのはペアプロならぬペアリーディング。
ゼミ室にあった情報処理学会の全国大会の予稿集(薄いので)から論文を適当に1つ選び、その序文を1文1文声に出して読みました。参考にさせていただいたのは「八木迪子, 橋本周司, "エネルギ自給型草刈ロボット," 情報処理学会第68回全国大会講演論文集, 4S-1, (2006)」でした。
私もこの論文を初めて読みました。そこで読んだときに私の頭の中でおきている認知過程を口に出してみました。頭に浮かぶ「心の声」を口に出す感じです。以下、覚えている範囲で書いてみます。ペーパー本文が手元にないので間違っていたらごめんなさい。「」が読み上げている声で、→以降が心の声です。
「ロボットには室内用と室外用がある」→ふむふむ。2つにわかれるんだな。
「室外用はあまり研究されていない」→なるほど。そこがこの研究のポイントだと主張しているんだね。
「室外用の応用として草刈ロボットを開発している」→なるほど。参考文献を引用しているということは自研究室等で先行研究があるということだね。
「室外用が研究されない理由にはバッテリーと作業効率の問題がある」→問題を絞り込んだね。対象における課題が2つであることとそのキーワード(バッテリーと作業効率)が明らかになったね。このキーワードは後で対応づけるために使うんだよねたぶん。
「バッテリーの問題は解決済み」→なるほど。じゃ、残りが問題なんだ。
「作業効率をバッテリーの消費電力から推測して。。。むにゃむにゃ(忘れた)」→ここが研究の新規性か。最後の段がちょっと論理の飛躍がある感じがしたけど流れがとてもすっきりしていて読みやすいよね?W君?
「この文章は情報の構造がきちんと整理されているから、一読するだけで以下のような図式が頭に入ったよ。自分で論文を書くときも、客観的な目で文章をチェックしながら書くといいよ。」と
といった感じでした。効果のほどはわかりませんが、単にダメだししているときよりは、私が伝えたいことを答えを言うことなしに伝えられたような気がしています。。。そのあと、自分で文章を組み立ててもらいましたが。。。何度かやり直しやっと完成。何とか間に合ったようです。
読書感想文もいいけど、自分が伝えたいことをわかりやすく書く訓練、そして、書いた文章を他者の目で自分の理解度を自己分析しながらチェックできる技術を大学入学前にも学んで欲しいと思います。もしかしたらやってきたけど学生が忘れてしまっているだけかもしれませんが。どうなんだろう、本当のところは?
■余談
上記のgraphはdottyで作りました。ご興味のある方はこちらで詳しく紹介されています。。