昨日の講演会の感想の続き。副学長は研究では「人のマネをしない」「流行を追うな」「独自の研究をすべし」「0を1にする研究をしよう」と仰っていた。まさに仰る通り。でも、行うは難し、です。もちろん、そんなことはよくよくわかった上で仰っていることと思います。
ただ、勉強中の学生さんには(特に学部生の皆さんには)、とにかく気になったものはマネしてみなさい、と言いたいです。
流行を追いかけてマネで終わってしまうこともあるでしょう。私の最近の活動のようにGBAやNDSやWiimoteやArduinoやGainerやprocessingやiphoneやマルチタッチスクリーンやchuckやPhysxやopenframeworksなどなど。とりあえずWebで見つけて気になったものは片っ端から「作ってみた」わけですが、その後、きちんとした研究に発展しているものはほとんどありません。学生の演習には役立っていますが。
でも、そうした活動を通して、間接的に得るものは多いと思います。環境構築だったり支援ツールだったり開発しているコミュニティの存在を知ったり。これだけ開発環境が多様化していて、学生さん自身も何を将来の生業とするかはっきりと見えていない段階では、とにかく手当たり次第にやってみると、知らず知らずのうちに自分の中で技術者としての当たり前感が蓄積していきます。対象は何だっていいんです。OSやコンパイラや言語やネットワークやセキュリティやDBやFlashや画像処理やストリーミングや人工知能などなど。
デバイスは格段に安くなりましたし情報もクリック一つで入手できます。私が学生の頃に比べると雲泥の差です。とにかくやってみましょう。赴任以来、私はこれだけを言い続けている気がします。そして、実際に行動に移れた人がほぼ皆無なことも知っています。残念ですが。。。創作活動は人に言われてするものではなく、自分の内に「作りたい!」という感情がふつふつとした湧かない限り行動には移れないでしょう。そういう人を何とか増やしたいなぁ。。。
学生「センセー、この間、Makeに掲載されていた○○デバイス作ったよ。。。うまく動かなくて調べたらArduinoのバージョンが一つ古くてね。。。」
私「おお、凄いね。今度、俺も作ってみるわ。そのLEDどこで買ったの?」
といった会話をしてみたいものです。