先日の日記に書いた通り、PM学会の講演(白石先生)で紹介された書籍をザクザク読んでいます。
白石先生の著書はどちらかというと「こうなりたい!」という目標のある方に対する処方箋が多いように思います。事実、プロ選手のコーチングですから当然の流れだと思います。これらもとても参考になるのですが、私の課題は、「こうなりたい!」というものがなく、逆に「しなければならない」ことは目の前にあっても、その気になれない(学生諸君)をどう対処すればいいか、というところにあります。
その課題に対する答えが、同じく講演で紹介されていた以下の著書にあるように思いました。
- 作者: 天外伺朗
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2008/02/05
- メディア: 文庫
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会社でも学校でも家庭でも「アメとムチ」を活用されていると思います。私もそうです。これを外発的報酬・外発的処罰と呼ぶそうです。これで人や組織が動くなら、それはそれでいいでしょう。でも、それがうまくいかないとすれば、内発的報酬に目を向けなさいということです。
外発的報酬は「エゴ」なんだそうです。このあたりの文章を読んで、頭を殴られたような衝撃をおぼえました。自分が、自分が。自分のために。もちろん、厳しい社会ですから自分のことは自分でするのは当たり前。でも、何か破たんしていると常々感じていました。
内発的報酬を感じる状態をフロー状態と呼ぶそうです。フロー状態に入ると、人は喜び(内発的報酬)を感じるそうです。著者はロッククライミングを例にして説明します。危険を冒してまで、何で険しい山を登るのか?その答えは「フロー状態」の高揚感に最高の魅力を感じてるからだそうです。
好きなことをやっていれば、時間を経つのを忘れてしまいます。。。今の社会は、外発的報酬を前面に出すあまり、内発的報酬を忘れてしまっている、と。確かに、毎日、忙しさのせいにして、内なる声に静かに耳を傾ける時間はなかなか持とうとしていません。
いろいろと悩みを抱えている学生さんを目にします。特に精神的な悩みについては、医者やカウンセラーでないと対処ができないことは事実ですし、中途半端に介入することで悪化させることもあると思います。それでも、白石先生が書かれているように、じっくり、ただ聞くだけでも状況が変わるのかもしれません。
「本当はどうしたいの?」 そのことに気づいてもらうような環境づくりといいましょうか。。。