memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

プロジェクトマネジメント教育法+Microsoft Office Project 2007

後期よりプロジェクト管理の授業を開始しています。内容はプロジェクトマネジメントの概要説明に始まり、PMBOKの概要説明をした後、MS-Project2003の使い方を学びながら、プロジェクトマネジメントのイメージを体感してもらう流れにしています。私も悩んだ末の一つの答えがこの方法であり、もちろん、この教育方法に対しては賛否両論があると思います。


プロジェクトマネジメントの教育方法が確立していないのが現状だと思います。結局のところソフトウェア開発技術もそうであるように、プロジェクトマネジメントの教育方法は、OJTを通してメンターから指導を受けながら修得するというあたりに開発現場も落ち着いているのではないかと思います。そうした中で、大学生はあくまで学生ですので、納期や品質を(本当の意味で)意識するような経験がありません。また、トーイプロジェクトを体験させた教育事例がプロジェクトマネジメント学会の報告にありましたが、(社会人と比べた)学生さんの意識レベルの低さを肌で感じる限り、それほど期待した効果はないのではないかと思います。定量的かつ科学的な批評ではありませんが。


私の方法は、所詮、ソフトウェアの使い方の習得に過ぎませんが、ゲーム感覚でソフトウェアを操作しながらプロジェクトマネジメントの流れを視覚的に理解することを期待しています。有料のMS-Projectのセミナーに参加している企業もたくさんあるようですから、例え「プロジェクトマネジメントとは何ぞや」を理解できなくてもソフトウェアは使えるようになることは学生さんにとっても採用する企業にとっても嬉しいことのはずです。また、そうした知識や技術を身につけていれば、自分が企業でリーダーになったときに、少なくともMS-ExcelよりはMS-Projectを選択する企業人になるでしょうし、そうなることが業界全体のためになると思います。


今日からMS-Projectを使った演習を始めますが、プログラミング演習とは違い、どう進めるのが本学の学生さんにとってベストなのかつかめていないのが正直なところです。教科書は岡野さんの著書を使用しています。このまま例題を体験させれば良いのか、例題や応用問題をさせるのがいいのか。学生さん達の反応を見ながら、できるだけ授業を面白くする方向にもっていけたらと考えています。


と考えていたところに先月の記事でMS-Project2007の発表があったようです。ノーマークでした。

Project 2007は従来からの「Standard」「Professional」「Project Server」「Web Access」に加えて、全社レベルのプロジェクト管理を行う「Office Project Portfolio Server 2007」をラインアップに加える。

とありますのでエンタープライズ系の機能が強化されるようです。このあたりは学部の学生には手が届かない領域ではないかと感じています。製品をアップデートした場合、教科書が使えなくなるでしょうから、せっかくですので、授業体験をもとに(学生も苦もなく購入できるような)もう少し安価な教科書でも作ろうかと考えています。