memorandums

日々のメモです。

レジュメを提出する前に実践して欲しいチェックリスト(ゼミ用)

うちの学科では、卒業研究の提出物の1つに研究内容をA4版1枚にまとめたレジュメがあります。ちなみにこのレジュメは業者に依頼して冊子にして卒業時に配布しています。

毎年のことなのですが、卒業研究発表会の前にレジュメの提出期限があり、今年は2月2日(今日入れてあと3日!?)で、この期限まで提出できないと発表することができません。

現在、このレジュメ指導の真っ最中です。今年のゼミ生は8名ですが、まだ半分も通過していません。

本学部でも日本語の文章術の基礎を学ぶ必修科目はあるのですが、テクニカルライティングまでは意識されていないせいか(習ったとしても身についていないせいか)、論文らしい文章はもとより、文章らしい文章を書くことも難しいのです。中には書き慣れている人もいて2、3回の指導で完成できる人もいますが、かなり稀です。

論文の書き方、文章の書き方に関する良書は世の中にたくさん出ています。私も学生のときに習った記憶はありませんし具体的に指導を受けたこともありませんので(博士後期のときにはみっちりありましたが)、いろいろな本を手にとっては勉強した口です。ゼミ室にもその本を置いてあるのですが、読もうとしませんね。。。ぐぐればいい、という時代ですから。

以前にもまとめてゼミ生に伝えたことがありますが、読みやすく整理したものを今朝作りましたので、今後のゼミ生にURLでポインティングできるようにここに整理しておきたいと思います。テクニカルライティングの本には必ず書かれているようなことばかりですが、学生でも無視せずに読んでもらえるように字数をできるだけ抑えたつもりです。



(A) 基本

  • とにかく、読み手を意識すること。すーっと読めるように。読み返すことなく一読して理解できること。自分は自分が伝えたい内容の全容を知っている。でも、読者は文章を頭から1文ずつ読んで理解する。この違いを理解する。違いがわからなければ他人のレジュメを読んでみるとよい。
  • とはいえ、文章を書きなれていないと最初から整った文章を書くことは難しい。まずは書いてみること。そして見直すこと完成した文書を紙に印刷して、ひと休憩した後に、ゆーーーーーっくり声を出して読んでみること。言葉にして発音しにくいということは、その言い回しを(心の中で)読んでいる読者も言いにくく、理解しにくい文章ということになる。
  • レジュメはA4版1枚しかない。スペースが限られているので全てを掲載することはできない。「あなたが1年間やってきたことを1分で説明してください」と言われたときに、まず何を伝えるか?ありきたりなことに時間を割いてはもったいない。この研究でやった「芯」を見出して記述する。この視点を持つことが大事。

(B) 読みやすくするための具体的なポイント

  1. 漢字は必要最小限にするワープロに慣れた人は何でもかんでも漢字にしたがる。例えば、前の文章のほとんども「殆ど」と変換できるけど、こんな文章にはしない。「下さい」「行う」なんかもそう。漢字が多くなると文章が黒くつまって見える。息苦しい感じがするため、読者は読む気をなくす。
  2. 1つ1つの文はとにかくシンプルに書く。必要のない修飾語は捨て去る。助詞も気をつける。例えば、「助詞も気をつける」と言いたいところを「助詞というものも気をつけることである」と書いたとしよう。情報量としては前者も後者も同じなのだから、前者の方が読みやすいに決まっている。
  3. 1文で言いたいことは1つだけ。あれもこれも詰め込まない。
  4. 各段落の最初にまず伝えたいことを1文で書く。この1文はトピックセンテンスと呼ばれる。そのあと、その文の補足や内容について説明していくこと。
  5. 複数の文をつなげるときには、前後の文の繋がりを意識すること。「桃が流れてきた」「桃を婆さんが拾った」「婆さんが桃を切ると中から赤ん坊がでてきた」。様々な説明の方法があるが、基本は前の文章で述べた事実(既知)から次に伝えたい情報(未知)を繋げていく。これをまず意識すること。
  6. 1文の中の主語と動詞が一致することを確認すること。1文が長くなると一致していないことに気づかないことがある。必ず確認すること。
  7. 論文は基本的に「である」調。「だと思います」「思ったり思わなかったり」などとは書かかない。自分の個人的な主張については「と考える」で、事実や説明については「である」。
  8. 各章の分量はなるべく均等に。これは意外と大事。みなさんがよくよむ本を見てみよう。各章・各節はだいたい同じ分量なわけ。量が多いと何が言いたかったのかわからなくなるでしょう?読者として。量が多い場合はわける。読者が読むリズムは大事ということ。
  9. グラフや図を作るときには見やすさに配慮するExcelで作成した表やグラフをそのまま貼らない。文字がすぐに判別できるように、読みやすいかな?と考えること。表示サイズ・フォントサイズ・色使いも重要。紙(白黒)で印刷した場合にどうなるか考える。レイアウトも重要。微妙にずれているのは「読者に気を使っていない」あかし。
  10. 基本的に章や節の中に段落は不要。文章が長くなる場合は1つの節の中で段落をわけることもあるが、それなら節をわけるべき。逆に、節や章のタイトルをしっかり意識して、漏れなく無駄なく説明する文章を書くべき。
  11. 各章、各節の始まりは字下げ(全角1文字)。ディスプレイで読んでも気づかない。紙に印刷して自分の目でゆっくり読んで検査してから提出すること。
  12. 句読点は「,」と「.」。テンプレの要項に書いて指示なので従う。(パワポは、と。でよい)。
  13. 重言を使わない。ついつい口語では使いますが、文章では無駄です。例えば「開発を行う」は「開発する」でも理解できるはず。しかも短い。「行う」「する」を使いたくなったときにはチェックする。
  14. 各章の時制に気をつける。基本的に現在形を用いる。実験結果を述べるときには過去形になる。

(C) 各章を書く上でのポイント

  • タイトル
    • タイトルは研究の顔。過不足なく、その研究を言い表しているか考える。大切なキーワードがぬけていないか。十分にわかりやすいか。誤解は生じないか。
  • 1章(背景・動機)
    • この研究で何をするのかを書く。自分が始めた研究であっても「私がいいと思ったので始めました」というのはダメ。あくまで客観的に。「多くなっている」など現在わかっている事実を背景として述べるときは、その事実を立証する文献を引用する。それを参考文献に入れる
  • 2章(提案手法)
    • システム内容の説明、あるいは分析系の研究なら分析手法を書く。やったことをだらだら書くのではなく、あくまでタイトルや1章で挙げた課題と対応づける意識をもって書く。提案手法としてシステム構成図やモジュール構成図を挙げる場合はまず文章ありきということを忘れない。図はあくまで文章では説明しにくいところを補完するもの。図だけ挙げて「見とけよ」は絶対ありえない。気をつけること。
  • 3章(評価実験・考察)
    • 何を評価すべきか?答えはV字モデル。1章に研究課題を書いたはず。それが要求になる。その要求を満足したかどうかを評価するのである。さらに実験した内容の要点を漏れなく伝えること。具体的には、実験の方法、前提条件、環境、手順など。興味ある読者が同じ実験をできるような情報。
    • 実験の結果を分析する。結果は数値になるが、その数値のこの研究における意味の解釈を読者に伝える。それが考察。当初想定した目標に対してどの程度十分だったのか?不十分だったということを言葉にする
  • 4章(まとめ)
    • まとめはあくまでまとめ。今後以外は新しいことを書いてはいけない。「本研究では、」という書き出しにしよう。まず本研究でやったことを1文で述べる。結果はどうだったのかも1文程度で述べる。実験の結果からわかった不満足な点について今後どうするかを書く。
  • 参考文献
    • これには章番号は不要。1つ以上記述すること。守るべきスタイルはレジュメのテンプレートファイルに書かれているのでそれに従うこと。