memorandums

日々の生活で問題解決したこと、知ってよかったことなどを自分が思い出すために記録しています。

論文の文章を書くときに少しでもヒントになれば...

あけおめです。

新しい年もはじまり、これから卒業や修了に向けて、論文書きに悩まされている人が増える時期になると思います。

普段から書き物をしている人、自分の主張を筋道立てて発信できる人はそれほど困らないと思いますが、そういう人はあまり多くはないとは思います。

なかなか手が動かない人のために、何かのヒントになればと思い書いてみたいと思います。


何から始めるか?

まず、材料を集めましょうか。これまで1年あるいは2年かけてやってきたことをとにかく集めましょう。実際に集める必要はなく、大きな紙でも用意してキーワードを書き出していく感じでもいいと思います。とりあえず手が動くので準備運動としていいと思います。*1


材料が集まったら?

とりあえず、それらを眺めて、今まで何をやってきたのか頭にロードしましょう。忘れていることもあるかもしれません。キーワード間を関連づけたり、自由に文章や線などを書き入れて整理しましょう。

参考になるかわかりませんが、以下のようなことをやったことがあります。最近はやりませんが。。。
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やってきたことが整理できたら?

以下の問いに軽く答えていきましょう。箇条書きでもいいと思います。1文は短ければ短いほどいいと思います。ちょっと意図的ですが。。。それぞれ論文の各章の言いたいこと(トピックセンテンス)になると思います。

  • なぜその研究をする必要があったのか?(背景や動機)
  • これまでわかっていることは何で、自分の研究との違い(新しさ)は何か?(関連研究)
  • これまでやったことは何か?(提案手法、実験方法、実験結果)
  • どういう結果を期待したのか?これまでやったことと期待との違いは何か?(考察)
  • わかったことは何か?わからないことは何か?(考察)


論文の骨子ができたら?

とりあえず、これまでで論文の骨子ができていると思います。あとは、箇条書きではわかりにくいし、文章とは呼べないので、それらの結んでいきます。*2



とりあえず、ここまで一般的なことを書いてきました。

このエントリーを書き始めたときに、もっと平易でシンプルなことを書きたいと思ったのですが、タイトルを書いた途端、普通な書き出しになってしまいました。。。ごめんなさい。

以下が本当に書きたかったことです。


とにかく書く

長い文章を書いた経験がない人は、とにかく文章を書いてみましょう。接続詞とか論理とか話の道筋とか細かいことは気にしないでガンガン書いていきます。そもそも何を書けばいいのかわからなければ、上記のようなテンプレートに沿って、質問に答える感じで文章を埋めていくといいと思います。


とりあえず書いたら読んで整理してみる

とりあえず(途中まででも)書き終えた文章を軽く読んでみて大きな流れに問題ないかチェックします。ここでもあまり細部は気にしないようにしましょう。自分の言いたいことがうまく言えているか?が重要です。書きながら自分の言いたいことを整理するのは、回り道のように思いますが、書く前に全てを整理するのが苦手な人(僕はそうです)には向いている方法と思います。*3


自分の書いた文章に自分でツッコミをいれる

文章が整理できたら、次は読者の気持ちになって読んでみて「ツッコミ」をいれてみます。「ほんまかいな?」とか。「わかんねーよ」とか。誰でも自分は可愛いですがなるべく悪意を持ってツッコミましょう。。。(苦笑)そのツッコミに応える文章を説明する文章を追加します。十分に主張できないのであれば、残念ですが、削除する手もあります。論文の読者が読んでいる過程で誤解や反感を感じるようであれば、説明する文章が不十分であったり飛躍があったりするのだと思います。


論文のタイトルは暗闇の中を進む灯台

論文のタイトルは論文の超要約文です。タイトルを具体的に説明したものが概要(アブストラクト)であり、それをさらに具体的に説明したのが各章のタイトルになると思います。論文を書いているときにはどうしても視野が狭まってしまい脱線することがあります。僕はいつもあります。。。そんなときには落ち着いてタイトルを読んでみて、自分が言いたいことがタイトルで説明していることからずれていないかチェックする。。。というのは意外とやれそうでできない大事な作業と思います。灯台的な存在かな。。。と思います。


最後に

文章を書きなき慣れていないと、どうしても細部が気になって筆(タイピング)が進まないことがあるかと思います。もちろん、カッコいい表現や言い回しはあると思いますが、大事なのは中身です(反論はあるかもしれませんが。。。)。文章のスタイルはたくさん読んでたくさん書いて身につけるものと思います。もちろん、よりよい文章は存在するでしょうけど、青い鳥を探していても論文は進みません。開き直りは重要と思います。とりあえず自分で作ったら、(当然でしょうけど)ゼミの先生の指導を受けて修正したり、ゼミの仲間に読んでもらって自分では気づかない点を教えてもらうのもいいと思います。こうやって書いてくると、ほんと、文章作成ってソフトウェア開発に似ていますね。。。1つの目標を実現するための形がないものを創造する作業。。。ですね。

以上です。

*1:ちなみに「やったことを並べただけの文章は論文とは呼ばない」ということは頭にいれておかないといけません。論文アルアルなのですが。。。論文を読む立場を想像すると簡単と思います。短ければ短い方がいいですよね。

*2:ただ「結ぶ」ことは「接続詞を考えること」ではありません。初めて論文を書いたときに、私はそんなドツボにハマりました。経験も語彙もなかったので、長い文章を「どう繋げていけばいいか」ということばかり考えてしまい、文章で言いたいことを表せているか?ということまでは気づけませんでした。

*3:アプリやサービスを作るときに、事前にすべてを計画するよりは、少しずつ作ってはリリースして要求を確認していくアジャイル手法に近いと思います。自分が言いたいことを文章に書いているのだから、最初から言いたいことはわかっているはずだ。。。と思うでしょうけど、実はそんなことはないのです。。。