書評と呼べるほどの内容ではないので、twitterによく書くreading: をつけたタイトルにしました。どうでもいいですね。。。
今日は講義も非常勤もないので、今週の予定であった研究用ソフトウェアの開発の続きをしようと、自宅近くの図書館にきました。
そこでたまたま手にとったのがこの本でした。
- 作者: 三菱総合研究所
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/07/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は発売当初に書店でチラ読みした記憶があるのですが、図解シリーズだな。。。という程度の印象だったと思います。
薄いのでメモを取りながらじっくり読んでみました(頭の整理になるので、もちろん、あとで自分で買います)。
今の世の中の流れ(特に技術的なこと)、自分の興味の変化(ファブやエンタメを中心にしつつ)が、これまで見てきた世界とは違う、新しい何かの時代の変化の時期なのだろうという意識はあったのですが、その感覚をうまく言葉にできない状態でした。
IoTという言葉を最初見たときには「バズワードがまたできたな」くらいの認識でした。でも、ずいぶんと長い間、使われていますよね。なぜでしょう。
本書はIoTとその周辺について整理されており、特に以下の記述には「IoTが求められるのはなぜか?」をよく理解できました。自分の言葉にもしていきたいと思いました。
以下、本書24ページからの引用です。
(引用開始)
IoTを活用したイノベーションを生み出す源泉は、ユーザーの本当の意図や求める価値を探る「ユーザーインサイトの獲得」の能力になります。「意図せざる使い方」を知ったときに、なぜそのような使い方をしたのか、ユーザーが本当にやりたかったのは何かを洞察することから、イノベーションが始まるのです。こうなると、製品やサービスに求められるのは、ユーザーの使い方や利用環境や利用シーンまで含めて、できる限り正確に捉えて、それらをデータ化して知らせてくれる仕組みだといえます。たとえば、製品やサービスの利用空間情報(温度や照度など)が必要不可欠になることも多いでしょう。
(引用終了)
IoTがなぜ必要とされるのか?よくわかります。モノがインターネットに接続されることで、これまでにないサービスを作り出すことがシステム的にはできるようになるでしょう。でも、それはあくまで1つサービスのことであって、重要なのは上記の文章の通りで、ユーザーインサイトの獲得のための方法なのですね。
これまでのモノづくりは売ったらおしまいでした。保守やメンテナンスというのはどうしても後回しにしてきたと思います。今でもそういう感覚の業界があるのではないかと思います。そこにコストがかけられない構造だったからでしょう。
でも、これからは、モノを売ることでユーザーとの対話の始まり、そこで低コストで利用データを収集し分析することで、次の開発に生かす。。。そういう循環を含めた開発フローが主になっていくのではないかと思います。
そのためには、本書で紹介されているIoTを取り巻く要素技術(ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AI、ブロックチェーン、拡張現実、デバイスとセンサー、量子コンピュータ)を活用して自動的にデータ収集し解析できるようなインフラが必要になるのでしょう。
Google HomeやAmazon Echoをはじめとする音声アシスタントが各社から発売されて賑わっていますが、これらも利用者の様々な情報を取得して次のサービスの発現に生かすきっかけになるのでしょう。
頭の整理になりました。買って何回か読んでみたいと思います。
はい。