読みました。グーグル(特にグーグルジャパン)でどういう仕事をしているのか。。。知りたくて購入しました。
- 作者: 辻野晃一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/11/22
- メディア: 単行本
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本書は11章あるのですがグーグルの話しが出てくるのは8章から。前半はすべてソニーでの話しでした。後半だけ読んでしまえ。。。と思ったのですが最初から読み始めるとこれがまた面白い。何と言いますか、ソニー版プロジェクトXを文字で読んでいるような感覚でした。数々の苦難を乗り越えて組織を成功に導く姿は感動そのものです。
で、ひとしきり感動したあとにグーグルの章を読み始めると、ソニーのお話に比べるとちょっと薄い感じがします。。。グーグルの歴史本で予備知識があったせいで新鮮味が無かったからかもしれません。
ただ、本書で再認識したのは、インターネット時代のモノヅクリの姿勢*1、そして個を重視した組織のありかた*2、です。
根拠はないのですが、最近、日本に元気がないと言われる原因はここにあるのかな?と読みながら思いました。みんな考え方や感じ方は違うわけです。その多様性は会社の多様性を産み、時代の要求に追従する柔軟性を産み出すでしょう。ただ、フラットな組織でないとなかなかそういうモチベーションはわきません。まず上司にお伺いを立てて。。。ハンズオンを実現するのは普通の日本型組織では難しいです。
そうはいっても考え続けることや動き続けることは黙って盲目的に仕事をするよりパワーを必要とすると思います。モチベーションの低い人が組織に居座り続けると組織自体の新陳代謝も悪くなりスピードも落ちてしまうでしょう。
奇麗ごとを並べましたが。。。何となく思うのは近い将来、日本でもワークスタールが変わっていくんだろうな。。。と思います。退職金も年金も期待できなくなるとすれば、現役時代にいかに自分の価値を高めて稼ぐかに注力せざるを得なくなるでしょう。学校を出て就職できない若者もたくさんいます。変化の素地は少しずつできてきているように思います。
■追記
そういえばツイッターに「iTunes/iPhoneの次の課題は音質だな。。。」と書いた覚えがあるけど本書によれば前時代的な考え方だとわかった。ウォークマンがiPodに負けた理由の一つだったから。それでも、通信速度が上がり、記憶容量もあがればYouTubeがHD対応したのと同様にiPhoneも無圧縮で入れてもいいじゃん。。。という富豪的解決になるんじゃないかと思っているんだけど。。。それって時代の読み間違いなのかな?