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「世界最強企業と戦う秘訣」--サイボウズ青野社長が語る成功術を読んで

この記事ではサイボウズ社が世界企業と戦ってきた秘訣が語られています。

サイボウズの企業理念は、情報サービスを通して世界の豊かな社会生活を実現すること。日本だけでなく、一部の優秀な人だけでもでなく、世界の人達をターゲットにし、安くて簡単なソフトをたくさんの人に使ってほしい。情報サービスを大衆化していくことを目的としています」

 そのためにさまざまな工夫をしてきたが、1年後、減収減益に陥ってしまう。新規の顧客が一巡してしまったのが原因だった。起業してからライセンス販売に頼っていたが、新規が減ると売上が下がってしまった。これを契機として、サイボウズ Office以外の商品を開発し、事業の幅を広げていくことで販路の拡大を図った。

確かに一昔前はソフトウェアで世界企業に立ち向かうことは難しかったと思いますが、今はどうでしょう?

SNSをはじめ、様々なサービスが日々立ち上げられています。

開発側にとっても利用者側にとっても、開発企業の規模差異というものが見えなくなっているような気がします。

ビジネスでは堅牢性が重視されるでしょうけど、近年のSNSOSSの動向を見ていると、近い将来、そうした価値観が変わるような気がしてなりません。


上記、引用文の通り減収減益を機に、Office以外の商品を開発始めた」とあります。

以前、デジエの評価版で試して遊んでみましたが、商品としての機能・着想、素晴らしいなと思いました。*1


ただ・・・これが有償となると腰が引けるんです。ライセンス買いとなると特にそう感じます。

昨今、ソフトウェアもサービスも無償化が進んでいます。無償であることが当たり前と感じているところもあります。

もちろんダウンロード販売でソフトが無償ではビジネスにならないのかも知れませんが、ソフトウェアやサービスがユーザにとって無償でも利益があがるビジネスモデルが各所で実践されています。

色々とハードルはあると思いますが、ぜひ、理念に挙げている「安くて簡単なソフトをたくさんの人に使ってほしい」を実現するため、新しい仕組み作り(製品ではなく)を進めて欲しいと思います。


例えば、グループウェアサービスを主体としたネットサービスを開始する、っていうのは現実的に難しいのでしょうか?

クローズドな環境向けでも○○連動広告は有効でしょうし、その収入でユーザが負担するライセンス料金を低減することができるかも知れません。安易な発想ですが・・・

ネットサービス化された次にはWebサービスAPIの公開です。

APIが公開されれば利用者がブラウザの拡張機能を作ることもできるでしょう。

クローズドな世界の中でマッシュアップなサービス?を展開することもできるかも知れません。例えば、社員ブログやスケジュールのタグに一致する過去のプロジェクトを連動表示する等です。

残念ながら、現在のサイボウズOfficeは、与えられた機能・使い方でしか扱うことができません。他のグループウェアも同様だと思います。最近はブログやWikiSNSで社員間の情報共有を実践しているところもあると聞きます。掲示板やスケジュール管理やメールなどの従来のサービスではなく、それらを融合した新しいサービスが実現できる環境が整っていると思います。

APIの公開により利用者自身が今まではやりたくてもできなかった使い方を模索しはじめるでしょう。こうした動きがグループウェアの進化の基点になるのではないかと考えています。*2

*1:ちなみな私はオフィスでサイボウズOffice6を利用しています。

*2:これを書いたあとにフィードパスの存在を知りました。新しい試みが既になされているのですね。Zimbraと手を組むのは必然的な流れかもしれませんが、サイボウズOfficeエンジン?のOSS化という方向性も面白いと思うのですが。